【名探偵コナン】夢色traveler12【短編集】

君が怖くないように〜別メンツver,〜【優奈:フリー】7 ページ34

沖矢｢えぇ、構いませんよ。｣






諸伏｢任せてください。｣







阿笠｢それじゃあ帰れなくなる前にみんなは行こう。｣






歩美｢コナン君、哀ちゃんまたね。｣






光彦｢明後日学校で。｣






元太｢じゃーな！！｣






元太達がいなくなるとリビングは一気に静まり返った。



外で降っている雨の音だけが響いている。






コナン｢…………ねぇ唯さん、Aさん本当に単純に雷が怖いだけなの？｣






諸伏｢あぁ……やっぱり君は賢いな。そうだな……さっきは子供達がいたから話しづらかったけど、君達なら大丈夫だろ。少しでも知ってる人が多い方がいざと言う時安心できるし……A、話していいか？｣






唯さんの胸元に顔を埋めていたAさんの頭が小さく縦に動く。






諸伏｢ん。ありがとうな。……Aは雷が怖いと言うよりは、雷がトラウマなんだ。｣







コナン｢……トラウマ。｣






諸伏｢この中で知ってるのは……コナン君だけだな。Aには両親がいないんだ。｣






沖矢｢それは……初耳ですね。｣






灰原｢全然知らなかったわ。｣






コナン｢確か、両親を交通事故で亡くしてるんだよね？｣(※コナン君が知ってる経緯は夢色traveler2を参照)






諸伏｢18歳の時にな。それで、その訃報を聞いたのが今みたいに雷が鳴り響く悪天候の日だったんだ。それ以降それまで大丈夫だったはずの雷がダメみたいでな……。｣






唯さんは元太達に気を使っていたんだ。



確かに説明しづらい。



大人に説明するのにも少し躊躇うのにそれの相手が純粋な子供となるとな……俺と灰原は中身は高校生だから理解して受け止められると思ったんだろう。



唯さんの説明でAさんがここまで怯える理由の詳細を聞けたけど、理由があれとなれば俺達ができるのはこの雷が収まるまでAさんが落ち着けるようそばにいてあげることぐらいしか出来ない。






コナン｢唯さん、昴さん、俺今日……。｣






沖矢｢泊まりますか？｣






諸伏｢改めて言うこともないだろ？元々は君の家なんだから。｣






沖矢｢お嬢さんはどうします？｣






灰原｢私はいいわ。隣だし。だけど、帰る時に元気を顔を見せてから帰るように言ってくれる？｣






諸伏｢だってさ、A。｣






『…………わかった。』





一同｢｢！！｣｣






諸伏｢うん。喋れるようになったって事はだいぶ落ち着いたな。｣






『ありがとう、唯さん。』

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