traveler14 ページ14
男が蘭ちゃんから痛恨の一撃をもらい、倒れ込む。
蘭ちゃんの形勢逆転かと思われたのだが、スパイは近くにあったロープを使って蘭ちゃんをさらに追い込む。
蘭ちゃんが攻撃をくらってスパイとの距離が出来た。今だ!!
持ち手をしっかり握りしめ、勢いのまま自分のカバンをフルスイングした。
あたりはしたものの、大したダメージにはなってないが、当初の目的にしたら十分だ。
邪魔にならないよう身をかがめれば、後ろから蘭ちゃんのストレートがスパイの顔面に入った。
やだちょっと、蘭ちゃんと私のコンビネーション最強なんじゃない?
”このまま行けば!!”と思ったのだが、実践経験がある向こうの方が1枚上手だった。
スパイが使っていたロープが上手く蘭ちゃんに絡まってしまい、スパイはそのロープを引っ張ることによって蘭ちゃんの体制を崩した。
それだけならまだ良かったんだけど、事は最悪の事態に。
蘭ちゃんが体制を崩したのは船の外側。
『蘭ちゃん!!』
カバンを投げ捨て、慌てて手を伸ばせば、なんとか掴まえることは出来たのだが、私の非力で蘭ちゃんを引っ張りあげられる自信がなかった。
今、こうやって掴まえてるのに精一杯。
男「ったく、邪魔しやがって……。これ以上、無駄な時間を過ごす訳にはいかねぇんだ。大人しく2人仲良く落ちろ!!」
蘭「Aさん!!後ろ!!」
蘭ちゃんに言われたものの、後ろを振り返る間もなく、体が傾いた。
蘭ちゃんの重みがなくなり、襲いかかってくる浮遊感。
為す術なく遠のく空、最後に見えたのは、私を落とした男の気味の悪い笑みだった。
海面に叩きつけられ、広がる深い青。
呼吸が出来ない!!苦しい……救命胴衣を着てるのに、波が高くて、上手く海面に出られない。
死ぬかもしれない恐怖を感じ頭が真っ白になったが、本能的にだったのだろうか、掴んだ蘭ちゃんの手は絶対離さないよう強く握りしめていた。
*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*
ー沖矢sideー
沖矢「?(Aの姿が見当たらない?)」
決して狙ったわけじゃない。本当に偶然だった。
アメリカが提供してるイージス艦の公開演習の応募をみつけ、本当にちょっとした出来心だった。
あの狭き門、”当たらないだろうけどな”なんて思って申し込んで、当たってしまった時の驚きといったら。
更に、現地に着いたら見知った顔ばかりいるなんて想像してなかった。
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おんぷ♪ - 何度もごめんなさい。劇場版に入ると言うことで、組織映画の時 キュラソー アイリッシュ 救済してください。 紺碧の棺 蘭 新一のエピソードは、そのままがいいです。今回も名前変更して楽しくこちらでも読ませてもらいました。 (2021年12月25日 20時) (レス) id: 35ce01de37 (このIDを非表示/違反報告)
Y's(プロフ) - とっても面白かったです!夏色連載当時から読ませて頂いてます。主さんの作品大好きです!リクエストなのですが、異次元の狙撃手をお願いします( ; ; ) (2021年9月20日 21時) (レス) id: 268d72d2c9 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - スっっごく面白かったです!良ければ天空の難破船お待ちしております(´;ω;`) (2021年9月2日 12時) (レス) id: 4b44556f18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン酢(プロフ) - ツバキさん» 業火の向日葵ですね、了解しました! (2021年8月29日 11時) (レス) id: c248c20236 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン酢(プロフ) - miiさん» 劇場版は時間がかかってしまいますが、お受けさせていただきます! (2021年8月29日 11時) (レス) id: c248c20236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆずポン酢 | 作成日時:2021年8月28日 13時