short films (ページ7)

今日:16 hit、昨日:2 hit、合計:32,080 hit

歌ウサギ (Ryo.n) ページ7

賑やかな金曜日の夜

街中には1週間の終わりに
ハメを外すいい大人の、楽しそうな顔

私の金曜日の夜もそうなるはずだった

なのに、今はあの胸糞悪い上司のせいで
気分は最悪、どん底だ

たしかに、ミスをした私が100パーセント悪い

ただ、

［これだから、女は］

そのワードに、腹が立って、
悔しくて涙が出そうだった

3年間、それなりに仕事に誇りとプライドを持ってやってきた

自分自身を女だから、と仕事を放棄したり、中途半端にしたことはない

だが、周りからは所詮そのように思われていたと思うとひどく怒りを覚えて、悔しかった

そんな金曜日、
あいにく誰とも予定がない26歳

オフィスのウィンドウに映る
この数分で老けた顔を見て、ますます嫌になった

こんな時
今日の出来事を流してくれて笑ってくれるような人・・・

考えるよりも先に、その人の連絡先へ
メッセージを送っていた

幸いにも、

‘空いてる’

との返信

なんだか、叫びたい気分

そう返すと

‘海でも行くか？笑’

と返ってくる

海って笑

適当に返信を返し、残りの仕事を片付ける

30分後、仕事を終え携帯画面を見ると

うっそ、、ほんとに行くの？

‘9時半にまゆの家の下に集合
あったかい格好してこいよ’

時間になり外へ行くと
パーカーにデニムにキャップという
カジュアルな格好をした亮ちゃんがいた

ねぇ、ほんとに行くの？

そう笑いながら聞くと

叫ぶには、海しかねぇだろ？

とニヤリ笑い、助手席を開けてくれる

亮ちゃんとは、大学のゼミから腐れ縁で何だかんだこの歳になっても、つるんでいる

お互いそれぞれに彼女がいたり、
彼氏がいたり、なんとなく恋愛事情も知っている仲だった

こうやって連絡しあったり
亮ちゃんのフットワークの軽さが
ここまで関係の続いた原因なのかもしれない