short films (ページ29)

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君がそういうなら正義 (Ren.N) ページ29

『廉～～？一回休憩しよー！』

ベットを組み立てていると
寝室の扉からひょっこり顔をだしたまゆ

引っ越し作業がはじまって2日目
初日は神や海人が手伝ってくれて
だいたいは片付いたけれど

あとはキッチン周りと寝室のベッドの
組み立てと細々したものだけだ

一念発起して、購入したマイホーム
そこまで広くないけど、日差しが
よく差し込んで緑も多く、なによりも
これから生まれてくる子どもを育てるには
最適な住まいだった

鼻歌を歌いながら、お茶を入れているまゆは
これくらい大丈夫と、平気で重いものを
持とうとするから、いつだって目は離せない

「あっちぃ～～本当に秋かよ」

どかっとソファに腰を下ろし

ずっと下を向いて作業をしていたため
ゴリゴリになった体を思いっきり伸びをした

『本当だね、今日は特に暑いね。お疲れ様。
あ、廉、汗かいてる』

となりに腰を下ろしたまゆは
タオルで額の汗をぬぐってくれる

『ん？どした？』

そんなまゆを無意識に見つめていたようだ

「なんでもないで？」

『そっか。あ、これ昨日神くんが妊娠中に
飲むといいよって教えてくれたお茶なの』

「へぇ～～」

『どう？』

「なんか飲みやすいかも」

『だよね！なんか本当に効きそう！
神くんあいかわらず気がきくよね』

よかったね～～とお腹をさすって
我が子に話しかけるまゆ

「なぁ、」

『ん？』

俺が飲み干したコップを下げようと立ち上がった
まゆの手を引き、片手に持っていたコップを
近くの台に置く

それを不思議そうに見るまゆ

「俺、頑張る。頑張るから。」

空いたまゆの両手を包んで
ぎゅっと力を込めてた

それに気づいたまゆは
優しく柔らかく微笑んでくれた

俺はこの笑顔が守りたいんだ

＿＿＿＿＿＿

おまけ

『お隣さん！すごいいい人そうだったね！
いい夫婦なんだろうなーって感じで。
廉聞いてる？」

「おう、」

隣の旦那にも愛想振りまく必要
あるか？たしかにご挨拶。大人の付き合い
は大切。やけど。

『ぷりぷりしてんの？廉くん？』

あからさまに、テンションが上がらない俺は
まゆのことになるとお子ちゃまだ

「愛想振りまくのはええけど
あそこまでにこにこせんでええやんちゃう？」

顔をまゆの方へ向けるとちゅっと可愛いリップ音

『にこにこは皆んなにするけど
こういうことするのは旦那さんにだけだよ？ね？』

あぁ、なんて可愛いんだ
俺の嫁