& princess 5

姉と弟の秘密基地 2 高橋×月宮 ページ45

※帝劇公演前のお話

＿＿＿＿＿

漫画の締め切りがちょうど昨夜終わり、
今日はゆっくりの時間で現場入りの日

なかなか寝付けない俺は、家にいるのも
落ち着かなかったので、今日もこの秘密基地に来ていた

カフェにいる人たちを人間観察していると

「やっぱりいた」
海「...まゆちゃん」

メニューも見ずに、
マスターにミルクティーを頼む彼女を
ぼんやり見つめていると

「なにそのアホ面」

なんてケラケラ笑ってくる

海「よくくるの？」
「あの日から2回くらいきてる。
今日は海人がいるかなぁと思って、来ちゃった」

今日、入り一緒だよね？
なんか朝起きちゃってさぁ〜

なんてコートを脱ぎながら話す彼女を見ていると
なぜか目頭が熱くなって、慌てて眼鏡をかけなおした

_____

「ん〜美味しい」

美味しそうにミルクティーを啜る彼女に
無意識にカメラを向けていて

「ちょっと〜プライベートは有料ですよ？」

なんて茶目っけたっぷりに笑う

海「いや仕事が有料なんでしょ？笑」

持っていたカップを机に置いて、
両膝をついて、水分量たっぷりな瞳が俺を捉える

「なんか話したいことあるんでしょ？」

まゆちゃんの口元はきゅっと上がっていて
太陽に照らされた髪の毛がつやつや光ってる

海「まゆちゃんには全部お見通しなんだね」

「全然話聞いてあげられなくてごめんね？」

申し訳なさそうに言うまゆちゃん
帝劇のリハが終わると分タイムで準備して
次の現場に向かうまゆちゃん

休憩時間は大概眠ってて、
俺なんかよりも100倍大変そうで

人のこと構ってる余裕なんて絶対ないのに。

目の前のまゆちゃんは
大好きな笑顔で包み込んでくれてる

海「あーまじ情けな、俺って」

溢れおちた言葉はすぐにまゆちゃんによって否定された

「悩んで悩んで立ち止まって、そのたびに解決策を見つけて、それの繰り返しなんじゃない？人って。海人は人よりもその回数が多いだけで、、
でもそれって人にはないものたくさん持ってるからこそ、だと思うよ？立ち止まってない証だよ」

まゆちゃんの言葉がストンと胸に落ちてきて
ぐるぐるもやもやが一瞬で吹っ飛んだ

うるうるしてくる瞳にグッと力をいれると
まゆちゃんの左手が、頬を撫でた

「我慢してえらいえらい」

我慢してたそれは、いとも簡単に溢れそうになった


＿＿＿＿＿

[海人のアイドル日記］

カフェで待ち合わせ

#俺の女神です
#なんちゃって
(月宮がティーカップを啜る写真)

海人

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