& princess 5

Myojo1月号 神宮寺×月宮 ページ29

1面ガラスで出来たその教会の先に
広がる青い海


こんなところで、未来の奥さんと一生を共にする
誓いを立てられたら最高だろう


(じゃあ神宮寺くん、カメラ回すよ)


シャター音が切られ始めて、目を閉じた


教会で2人の設定
そうだなぁ、ゲストも親族もいない
式終わりの2人という設定にしよう


ざっくりなシチュエーションを思い浮かべていると
大きな音を立てて重厚な扉が開いた


神「まゆ...」


まっすぐ俺を見据えて、小さく笑ったまゆが
ゆっくり俺に近づいてくる


首元から、手首にかけて、
総レースがあしらわれた上品なドレス
髪の毛も編み込みが入っていて芸術的だ
露出が少ないのに、漂う色気にくらくらする


目の前に来たまゆの左手を優しく引く


神「綺麗だよ」


自然と出たその言葉に少し照れたまゆは


「神もすごい似合ってる」


と褒めてくれた


誰もいない教会は、少し声が響いて
2人しかいないことを再認識させられる


座ろうとまゆに手を引かれて、
一番前の席に2人で腰掛けた


照れ臭いのかなかなかこちらを見てくれないまゆが
可愛らしくて、優しく名前を呼ぶと


合わさった視線


俺は、左手に付け替えていた自分の指輪を抜いて
彼女の細く美しい左の薬指に指輪をはめる


「あはは おっきいね」


ぶかぶかな指輪をみて、笑う彼女の姿から
目が離せなくて


気づくと俺は、その綺麗な左手を
自分の口元へと持ってきた


そして、
左手に光る指輪に小さく口づけ



神「ずっと一緒に笑い合っていこ？」



コクリと頷いた彼女を
もう少し独り占めしたくて、


まゆの目にかかったふわふわの前髪を
整えて、そのまま引き寄せ
額に小さなキスを落とした

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