五十八 ページ8
さてと、こんなものか。
人並みにはできるとは言ったが、本当に大丈夫だろうか。
燭台切殿から教えて貰った料理なのだが……
燭台切殿はいつも美味しいものを作ってくれていたし大丈夫だろう。
「鶴丸国永殿。できたぞ。そういえば、おれがやる事を聞いていなかったな。
何をすればいい?」
鶴丸「……君は、折れた刀を直せるほどの霊力はあるか？」
折れた刀……
「…あると思うぞ。だがその直したいと言う刀とやらの破片が全てなければ、
直せない。直せと頼むほどに大事なのであればしっかり持っているのだろうな？」
霊力はある程度は抑えられているが
その抑えられた霊力を使うまでもないだろう。多分
自信が無い訳では無い。失敗したら木端微塵。調整が難しいのだ。
「だが、直せたとしても二度と同じ付喪神がやどることは無い。
それでも直すことを選択するか？」
二度とどころか付喪神はもう宿らない。
この場合の分霊は宿るものを破壊され次第本霊に戻る。
未練があって残っていたとしても、完全復活には代償が必要となる。
鶴丸「これだ……光坊、いや燭台切光忠って言うんだ。」
寂しそうに笑いながら、破片が入っているだろう箱を渡してくる。
……しかたがないな……。
「明日の朝までには直しておく。今日はもう戻れ。
安心しろ、粉々になどはしない。必ず直す。約束だ。」
神との約束は重い。それが例え妖に近しい神だったとしても。
鶴丸「わかった……期待はしないでおく。
今剣は俺が責任をもって五条部屋に届けて行く
近いうちに五条の奴らに襲撃を受けるだろうな。」
だろうなぁ……おれに挑みに行った頃から帰ってこないんだから。
傷は手入れで直せるからいいのだが……痛いのは少し苦手だ。
「さて、」
破片を綺麗に並べ元の形に戻す。
目を瞑り刀の形に合わさっていくように想像し霊力を流せば、
目を開ければ元の形に合わさっていた。
ここまでに要する霊力は少ないのだが
次は……神に願いを、
ここにいた者が帰って来るとは限らない。
だが、少しの希望にかけて見ようじゃないか。
なんて、性にあわないな。
「
どうか願いをお聞き入れください。
どうかこの刀に、もう一度生を、
代償は、我が体に。
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翔(プロフ) - 安仙任さん» ありがとうございます！亀更新ですが頑張ります！ (2021年2月12日 20時) (
レス) id: e634417883 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - とても面白いです！続きを楽しみにしてます！これからも頑張ってください(^^） (2021年2月12日 19時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｱﾊﾟｰ | 作成日時：2021年1月28日 18時
