8︰骨格特殊だったりするの? ページ9
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先が見えないほど長く続いた階段を抜けた途端、視界いっぱいに霧の漂う湿原が広がった。地下から出た反動でそこまで明るくないはずの湿原が明るく感じる。変な感じだなぁとAは緩く目を細めた。足を止めたヒソカに自身を地に下ろさせて、それから1つ溜息をついた。
『ベタベタして気持ち悪い....』
服も靴も汚れるし、湿気で髪が広がっちゃうとAは頬を膨らませ悪態ついた。
『奇術で何とかならない?』
「流石に無理があるかな♢」
『不可能は無いんじゃないの?』
「...♧」
そろりと顔を逸らしたヒソカにAはちょっと前にもこんな反応なかったっけ?なんてぼんやりと考えた。過去はあまり気にしない性質なのだ。
因みに下手に対応せず黙って顔を逸らしたヒソカの反応は正しかったりする。ここで何か言い返せばただでさえ悪いAの機嫌が更に悪くなりストレス発散に死者が大量に出るからだ。無差別に攻撃して試験に支障が出かねない。
ワガママなのは自覚済みのAは自身の怒りが理不尽だと理解しつつもピリピリと漏れ出る殺気を収めるつもりは微塵も無い。だって汚れるのもベタベタするのも嫌だもん。
その殺気に当てられてヒソカが興奮するのも当然とも言えるので、むすりと顔を顰めたままAは途中見掛けた見覚えのある針頭の人物の元へ移動することにした。余談だがサトツの説明については完全に聞き流しである。
□■□
「...カタカタ、カタッ」
『あれ、喋れないの?』
因みにAの機嫌は改めて見た知人ことイルミの姿が愉快過ぎて直った。むしろ上機嫌だ。何せ骨格から違うし、針だらけなのに平然としているのだから面白くない訳が無い。普段との落差も相まってAは心底愉快な気分だった。
それにしても、喋れないなら変装の意味ってあるのかなぁ、なんてAは思う。だって不便でしょ?
「...いや、喋れるけど」
『痛い?』
「疲れるんだよね」
『...イルミの家って骨格特殊だったりするの?』
「脈絡無さすぎない?」
「あとギタラクルって呼んで」と続けた無機質なのに不可解そうな感情の滲むイルミの声に器用だなぁと感心した。肉体操作も骨格からの変装も出来る人はそうそう居ないから疑問に思っただけなのに。
「あれ、ほっといて良いの?」
『...一緒に来た訳じゃないよ?』
あれ、とイルミが指すのは人面猿相手に一方的に無双するヒソカだ。その様子に対する2人の感想はよっぽど暇なんだ、だったりする。
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マニ。(プロフ) - 海神 瑠花さん» ✉️。是非!遅いのも私も同じなので仲良くしてくれると嬉しいです!ボードに返事送りました!お返事お待ちしています。💖 (11月26日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
海神 瑠花(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます!︎💕︎返信が遅くなることが多々あるかと思いますがそれでも大丈夫なのでした是非😊✨ (11月26日 17時) (レス) @page4 id: 047a8ff329 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは、とても面白いです!もしよろしければボードで会話とかしたいのですがよろしいですか?お返事お待ちしています!💖 (11月26日 17時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海神 瑠花 | 作成日時:2023年11月26日 12時