12:やっぱお前も変態だよ ページ13
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自分に矛先が向かうと分かった途端撤回するイルミにA満足そうに笑う。
ヒソカと似ている部分があるのは認めるが、自分は戦闘狂でも変態でもないのだ。ヒソカみたいに殺気や血の匂いに興奮なんてしない。しないけど、ただ、ちょっと、
『スープが呑みたくなるなぁ...』
ポツリと呟く。やっぱりヒソカ着いていけば良かったかな。何となく血が見たい気分。
「あぁ...確かに違うか。ヒソカに食人趣味は無いしね。でも、やっぱお前も変態だよ」
『ヒソカみたいに興奮してる訳じゃないから違うよ。ただ殺すだけじゃ満足できなくなっただけだもん』
心外だと言うように眉を寄せ、頬を膨らませて、拗ねたようにAは言う。そんな可愛らしい姿とは反面、辺りに漂う殺気がAの機嫌の悪さを物語っている。変態呼ばわりはお気に召さなかったらしい。一人、また一人と周囲の人々がAの殺気に当てられ倒れていく。その光景にイルミは心底面倒そうに息を吐いた。
「
『なんで?それより、変態なんて酷いよ。私こんなに可愛いのに』
「キルのが可愛い」
もう、ほんと弟大好きだよね。
Aは今度こそ顔を顰める。私が一番可愛いに決まってるのに。やっぱりヒソカに会いたくなってきた。こういう時ヒソカなら直ぐに謝ってご機嫌取りしてくれるのに。
むっすぅと頬を膨らませ、分かり易く不機嫌なことを主張するA。
なんだかんだ、約10年の付き合いになるのだ。こういう場合、折れる方は決まっている。
「はぁ...この前言ってたハルバード、3割引でお使いして来てやっても良いよ」
『...ほんと?ありがとう!』
言った途端、表情を明るくするAにイルミは静かに息を吐く。分かり易く機嫌を直すAにも、それが悪くないと感じる自分にも呆れたのだ。
イルミはAがまだ6つか7つの頃から知っている、多少は情に絆されて居たって仕方が無いだろう。家族程とはいかないにしろ、何かあれば気にかける程度にはイルミはAに甘いし、それは自覚している。
Aは我儘だし傲慢だ。けれどそれを本人は自覚しているし、何より賢い。だからこそウチに不利益を及ぼすような事はこれまで一度もしなかったし、依頼でも無ければ今後もしないだろうとは簡単に予測が出来るので。結局、まぁいいかと思うのだ。
一人娘で基本的に甘えた気質のAと長男のイルミはなんだかんだ相性が良かったりするのである。
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マニ。(プロフ) - 海神 瑠花さん» ✉️。是非!遅いのも私も同じなので仲良くしてくれると嬉しいです!ボードに返事送りました!お返事お待ちしています。💖 (11月26日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
海神 瑠花(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます!︎💕︎返信が遅くなることが多々あるかと思いますがそれでも大丈夫なのでした是非😊✨ (11月26日 17時) (レス) @page4 id: 047a8ff329 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは、とても面白いです!もしよろしければボードで会話とかしたいのですがよろしいですか?お返事お待ちしています!💖 (11月26日 17時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海神 瑠花 | 作成日時:2023年11月26日 12時