甘いのは嫌いじゃない (ページ36)

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マイホームでの夜ページ36

～no side～

貴『……』

ただいまの時刻は午後11時…

異世界人と書かれた本を読み終えた彼女は
一回、気持ちを落ち着かせる為お風呂に入ってきたのだが表情は微妙

そんな微妙な表情をする彼女は
髪を乾かさないまま大きな椅子に座り
自分で淹れた紅茶を一口飲み『はぁ』と深いため息をつく

貴『駄目だ…不安しかない…』

テーブルの上に置いてある
異世界人と書かれた本を見つめながら
『このままバレずに生活を続けられるのか？』
『もし異世界人だとバレたら彼等は、どうするだろう?』と考えていた

貴『お風呂に入っても落ち着かないし
寝ようと思っても色々と考((ｺﾝｺﾝ))…誰だろう?』

『色々と考えちゃって寝れない』
そう言おうとしたタイミングで誰かが玄関のドアをノックした

貴『11時過ぎ…一体、誰だろう?』

彼女は誰が来たのかを確認する為に玄関のドアを開ける

貴『…カタクリ?』

カ「誘惑の森に見回りに来たんだが…
家の灯りがついているのが見えたから寄った」

貴『なるほどね…中に入る?』

カ「そうさせてもらう」

家の中に入ったカタクリは大きな椅子に座り
彼女に関してはカタクリが飲む紅茶を淹れる為キッチンに向かった

貴『お菓子もあるけど食べる?』

カ「食べる」

キッチンに居ながらカタクリに話しかける彼女

貴『こんな時間なのに見回りか…大変だね』

カ「そうでもない」

貴『ホーミーズが居るんだし
わざわざカタクリが見回りしなくても、いいんじゃない?』

カ「念のためだ」

貴『念のためね……はい、どーぞ♪』

お菓子と紅茶を持って戻ってきた彼女は
その2つをカタクリの近くにあるテーブルに置けば
カタクリの向かい側…自分が座っていた椅子に座る

カ「こんな時間まで何をしてたんだ?」

貴『ん?ああ、本を読んでた』

カ「そこに置いてある本か?」

テーブルの上に置いてある本の事を聞かれ
若干、鼓動が速くなる彼女だが表情には出さないよう『うん』と一言、返事をする

そして"この話は避けたい"と思った彼女は
『そうだ!これ食べてみてよ!』と、お菓子をカタクリにすすめ話をかえたのだった