あれ？私ってなんで生きてるの？

１６話 ページ16

あれ？私普通にしゃべれてる



体も強ばってない



不思議、だな



名前も知らない暖かい感情に包まれた







私が暖かい感情に浸っていると



「坂田くん！ちょっと来て！」



先生がさかたんを呼んだ



途端に静かになる




寝ようと思ったらsouくんの声


「Aさん？」



「は、い？」



「さっきはありがとう」



「どういたしまして。」

 


続かない会話


沈黙が続く




「僕、昔から体が弱くてね、倒れることもしょっちゅうなんだ。入院もよくするし、いつも一人で。いじめもよくあって。友達なんてほとんどいない。だからもしよかったら友達になってほしいんだ」



「うん。いいよ」



言葉ではそう答えながらも心の中では



弱いからという単語がループしてる




弱いから弱いから弱いから弱いから弱いから弱いからよわいからよわいからよわいからよわいからよわいからヨワイカラヨワイカラヨワイカラ




弱いから助けてもらえて



よわいから気にかけてもらえて



ヨワイカラ友達になる口実を作れて



ﾖﾜｲｶﾗ心配してもらえて




みんなが言った弱いって単語には




体が 以外の意味もふくまれてる気がする




僕は弱いんです



よわいからできないことがあるんです



ヨワイカラ守ってください



ﾖﾜｲｶﾗ助けてください




弱いって誰が決めたの？



弱い人間ってなに？




私はつらくてもいつものこと、仮病だって言われるのに



なぜあなたは弱いという単語だけで心配されるの？




「どうしたの？」



「なんでもない、大丈夫だよ」



頭に浮かぶ考えを振り払うように話題を変えようとすると



いきなりsouくんが咳き込んだ



どこからともなく先生が現れ背中をさすり出す



5分ほどたってやっと落ち着いた



「ごめんね」



謝るsouくん




「気にしないで。大丈夫なの？」



口では大丈夫？とかいいながら



ずるいと思っている汚い自分がいる



私は心配されないのにsouくんは心配されるんだって




その考えを消したくてsouくんにはトイレに行くといい




保健室を出た




「調子が悪いならなんで話してるの？
   souくんは体が弱いんだから長時間話したらダメなのよ」



その言葉の裏にはあなたのせいでsouくんが苦しんだという意味が隠されてる気がして私は屋上に駆け込んだ

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