TOPOP《青》

Episode42 ページ43

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「でもこんな世界でしか生きられへん。だから俺は、生きるために人を傷付ける」









信ちゃんの目は本気やった。

真っ直ぐで、真剣やった。









「施設を出るとき、山田さんは俺に言うたんや。君が信じる道を進みなさいって。

俺は今自分が歩いている道を、本気で正しいて思てる。人を傷付けることはええこととちゃうけど、そいつが手にしてる金やって悪事を働いて得たもんや。

金は天下の回りもの。悪事を働いて奪った金なら、俺が同じように奪ってその金を有効活用したる。

俺たちみたいな境遇の人間や、病気の子供たちに使った方が何倍も世の中の為になる。

世論的に正しいとか間違ってるとか、そんなことはどうでもええねん。他人の評価なんて関係あらへん」









皆、黙って信ちゃんの話を聞いている。









「でもだからこそお前にも言いたいねん。

章大が信じる道を進め。お前が後悔せぇへんように」









僕の後悔しないように。

僕の信じる道…。









理性とか、理論とか、

正義とか、普通とか、

当たり前とか、世間体とか、









そんなものに左右されない。

僕の進みたい道。









「例え世界中の人が間違ってるって言うても、僕は皆のやってることは正しいと思う」









やり方は正しくないかもしれへん。

でも家族を亡くして、

全てを失った僕達に他にどんな生き方があるやろ？









「僕も、仲間に入れて欲しい」









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