TOPOP《青》

Episode5 ページ5

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暑い夏が終わり、

秋の涼しい風もどこへ行ったのか

マフラーや手袋がないと耐えられへん季節がきた。









今日も施設の講堂の隅の方でゲームしていると

また大倉くんがやってきた。









「なぁ、安田くん！」









彼と出会って数ヵ月。

沢山のことが分かった。









僕は彼の笑顔が嫌いだ。









にっこりと笑っているのに、

その瞳は全然笑ってへん。









色んな感情がごちゃ混ぜになってて

それを汲み取ることなんて出来へん。









せやから僕は彼を無視して

講堂を出ていった。









視界の端で信ちゃんの心配そうな顔が見えたけど

それも気にせず歩いていく。









その後ろを一生懸命付いてくるのは

他の誰でもなく大倉くんや。









「なぁ、安田くん待ってぇや！」


「･･･」


「えっ？無視？なぁ安田くーん…」


「･･･」


「安田くぅん…」









あぁ、しつこい。

というかめんどくさい。









付きまとわれるのは苦手や。

無駄にベタベタされるのも。

友達面されるのも嫌い。

僕のことを全て知っているかのようにされるのも嫌い。









とにかく僕は大倉くんが嫌い。









皆には好かれているかもしれんけど

僕は嫌いや。









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