Episode27 ページ28
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施設に帰ると僕の部屋の荷物が半分だけ無くなっていた。
そしてテーブルには殴り書きしたような字で、
『捜さないで下さい。 亮』
とだけ書かれた手紙が置いてあった。
山田さんも何も知らないみたいやし、
僕は二者面談があったから早く帰ってきたけど
今日は平日で皆学校やし。
誰も亮の行き先を知らんかった。
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僕の荷物しかない部屋で
膝を抱えて座ってどれくらい経ったやろ?
でも動こう、という気にはなれんかった。
その内フラッと帰ってきてくれれば
それに越したことはない。
でも亮はストイックだし、意外と頑固やから。
多分、2度と帰ってこうへんのやろな、って僕は思う。
色んな感情が複雑に渦巻く。
でもそれを言葉にすることは出来ひん。
「・・・亮、」
大切な人が居なくなる気持ち、
今の僕なら少しだけ分かる。
「どこ行ってんねん…」
キッとテーブルの上の手紙を睨んでみる。
「・・・帰ってきてや」
僕の頬に一粒の雫が流れた。
誰かの為に涙を流すなんて、
初めてや。
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蓮 - この作品面白いです!もしよかったら私の作品も見てください…題名は「Bar Eight」です…よろしくお願いします…更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2015年7月8日 20時) (レス) id: b557673d46 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう☆(プロフ) - 咲希さん» やっとやっさん編まで来ました~!笑 そんなこと言ってもらえるなんて、めっちゃ嬉しいです(*´-`)全シリーズ完結目指して頑張ります!! (2014年11月23日 8時) (レス) id: 50f67557b5 (このIDを非表示/違反報告)
咲希(プロフ) - 章ちゃん編おめでとうございます!!ゆう☆さんのパッチシリーズは全てきちんと繋がっているので読みやすいし分かりやすいし振り返りやすいしで大好きです!更新頑張ってください(p^-^)p (2014年11月23日 8時) (携帯から) (レス) id: 4347f1ae5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆう☆ | 作成日時:2014年11月23日 1時