別れと約束 ページ18
Asaid
あの時からおよそ1週間ほどたったあさの5時。
「オーシャン………」
オーシャン「Aー!ポップポップポーップ!」
オーシャンは私が言おうとしていることを分かっていたと思う。
だからそれを聞かないためにわざと避けているのだ。
オーシャン「ポップに行こうぜ!ポップポップポーップ!」
「私、この町を出ていくことにしたの。」
遮るように言った。
それは彼の心に勢いよく刺さった。
オーシャン「っ……」
「ずっと此処に居たら私の面倒を見てくれている2人に迷惑でしょ?」
私はあの時の出来事から周りの人達から避けられていることに薄々気付いていた。
あの夫婦もいずれ真実を知れば私を追い出すだろう。
そうなればオーシャンだって………
そんなのは私には耐えられない。
「それにこれで良いと思うの。これが私達にとって幸せになれる道になるでしょ?」
オーシャン「ならない!ならないよ!そんなの!Aが居なかったら幸せになれないよ!」
彼の声は震えていた。
「っ………!」
オーシャンだって分かっていたと思う。
私が何を言われようとこの町を出ていくことを。
それが致し方ないことだと。
私だって行きたくない。
でもここで甘えたらいけない。
行かなくちゃいけない。
皆の為に
私の為に
オーシャンの為に。
オーシャン「嫌だ!行かないで!僕、Aがヴィランズの子供だって気にしないよ!そんなの!」
オーシャンは私の腕を掴んだ。
「行かなくちゃいけないの。」
それでも私はオーシャンにの手を払い背を向けた。
オーシャン「ヴィランズの子供だって親と一緒だとは限らないでしょ?!」
「っ…………!」
オーシャンの声が私の何かをとらえた。
「でもねオーシャン。私は、ここを出ていく。」
振り返って言った。
恐らく私は涙でぐしゃぐしゃだったに違いない。
「だから約束しよう?必ず会おうって。絶対に会おうって。」
オーシャン「っ…………!」
オーシャンは飛び付くように私を抱き締めた。
オーシャン「Aが、いくら止めたって行ってしまうことぐらい分かってる。だから、絶対会うって約束して。」
鼻を啜りながらオーシャンは言った。
「うん。約束ね。」
私達は静かな町で
いつものあのパン屋の前で
固く約束を交わした。
76人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オクトパス(プロフ) - ポップスさん» あ、ありがとうございます! (2017年9月12日 18時) (レス) id: 9001e4cb89 (このIDを非表示/違反報告)
ポップス - 面白いです!キュンキュンしちゃってます!ジャックハートのパンの話、可愛いです! (2017年9月12日 18時) (レス) id: 4fc279d8fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:オクトパス | 作成日時:2017年8月25日 22時