私はクラスで2番目に可愛くて、成績優秀な、「優等生」だ。 (ページ5)

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3話ページ5

その後の授業の様子。
3限目の英語では難しい英文をスラスラと読み上げ、とても綺麗な発音だと先生に褒められた。4限目の体育のバレーボールでは、バレー部のクラスメイトにトスがとても綺麗だと褒められ、沢山得点に繋げた。自分でもたくさん点数を取り、スパイクも打てるなんてすごい、とも褒められた。
授業外でも、指を切ってしまったクラスメイトに絆創膏を貸してあげたり、重い荷物を持っていた子の荷物を半分持ってあげたりした。
休み時間も、よく授業中分からなかったところを教えて欲しいと頼みに来る子がいるし、友達が多く人付き合いも良いので、話し相手も多い。
授業中学力について褒められるのはもちろん、驕らず、嫌な顔一つせずクラスメイトの勉強を見たり、授業外も色々なことに力になってあげたりする私はまさに、「優しくて可愛くて頭がいいのに、それを鼻にかけない優等生」だった。

しかし、朝比奈さんは別格だった。
英語の授業では、高校生でここまで綺麗な発音の子は滅多に見ない、と先生に褒められていた。発音だけでなく英語力も海外で通用するレベルらしく、今度開催される英語のスピーチコンテストに出場するらしい。去年は最優秀賞を取り、朝礼の時間に全校生徒の前で表彰されていたのを覚えている。
また、体育のバレーボールでは、本人はやったことはないよ、と言ったにも関わらず、基礎的なレシーブやトスなどはもちろん、スパイクもサーブもとても上手だった。勢いがあるボールや変則的なボールも拾い、その敏捷性と判断能力でバレー部の子達にも劣らないくらい得点を決め、チームに貢献していた。
そして本人は当然それを鼻にかけることなく、むしろ、そんなことないよ、でもそう言ってもらえて嬉しいな、と謙虚な態度。
当然、クラスメイトや先生には褒められ、感心され、周りには自然と人が集まる。いつものように、朝比奈さんはやっぱりすごいな、と思いながら視線を向けていると、

「朝比奈さんは日野森さんと弓道部の美人組って言われてるけど、春海さんもすごいよね！」

「だよね！しかも、2人とも頭良いし運動神経抜群だし、優しいし……非の打ち所がないよ」

そんな声が聞こえた。
それを聞いた私は、クラスメイトから朝比奈さんと同じくらい認められているということの嬉しさと、超えられてはいないという悔しさが混ざった感情に襲われた。
そして、私はこの人を超えたい、そのためにこれからも頑張ろう。そんな気持ちになるのだった。