私はクラスで2番目に可愛くて、成績優秀な、「優等生」だ。 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:4,126 hit

プロローグページ2

「Aちゃん、この問題教えてくれる？」

「流石は春海さん、よくこの問題が解けましたね」

「Aって本当に可愛いよね。スタイルも良いし。羨ましいよ｣

「A！この間のバスケの大会で大活躍だったんだって？流石はAだね」

全て私が言われた言葉だ。
だが当然だと思っている。

例えば高い成績をキープするために朝晩の勉強は習慣づけているし、親に頼んで予備校にも通っている。例え休日だろうと決まった時間の勉強だけは絶対に欠かさない。
また、放課後は自分の復習も兼ねてよく友達と勉強を教え合っている。

次に容姿。綺麗な肌を保つために決まった時間には寝るようにしているし、ニキビが出来たり太ったりしないためにお菓子の類や油っこいものは家では絶対に食べない。友達が勧めてくれたものは空気を悪くしないために貰うが、その分家での晩ご飯や次の日の朝ご飯の量を調整している。
毎朝のランニングと放課後の自主練は部活で良い成績を残すためというのが1番だが、スタイルをキープするためでもある。

あくまでこれは私のやっていることの一部であって、実際はもっと勉強も部活も自分磨きも努力していることはたくさんある。
だが絶対にクラスメイトや先生には見せびらかさないし、成績優秀なことや可愛いことを鼻にかけることはしない。
全ては「優しくて可愛くて頭がいいのに、それを鼻にかけない優等生」像を守るため。

――だが、私のクラスにはもう一人、「優しくて可愛くて頭がいいのに、それを鼻にかけない優等生」がいるのだった。