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#34 ページ34

“マーマー”



隆斗の声で目が覚めた。


時計を見ると、まだ朝の6時。




『隆斗〜、まだ寝よ…』



私の言葉なんて聞いてないみたいに
おもちゃで遊び出す。




そうして1日が始まった。







隆ちゃんは、隆斗にデレデレで。


欲しいって言ったものはなんでも
買ってあげていた。



こんなことが好きだったんだ

大きくなってからそう思い出になるように、って。




だから、気がつくと隆斗のまわりはおもちゃだらけで。



また今日も発動しました、イヤイヤ星人くん。




『お片づけしようね!』


“いや!”


『パパ帰ってくるよ?』


“やだやだ”




そう言って、さらにおもちゃを取り出す。







ここ最近、本当に言うことを聞いてくれないは
怒られることをわざとやってみるは…



そんな毎日だった。散らかり放題のリビング。



これが成長の過程で当たり前だとしても
1人で対処できなかった。





ママ失格だよね…


そう思ったら最後。溢れる涙は止められなくて。




「ただいま〜」


“パパ〜??”




玄関へ走っていく隆斗についていけるほど
気力はなくて。涙を止めるのに必死だった。


「隆斗〜ただいまっ!あれ?ママは?」


『ごめん…おかえり…ねぇごめんね、隆ちゃん…。ご飯作れなかった。』


「どうした?」




そういってからリビングを見て驚く隆ちゃん。



『隆斗いまイヤイヤ期でね、しょうがないのにね…なのに、対処できなくて…ママ失格…本当にごめん…』



そう言うと隆斗に話しかける隆ちゃん。



「隆斗〜、ママのこと好き?」


“ちゅき!”


「パパのこと好き?」


“ちゅき!”


「よしよし、いい子!
ママね、隆斗がお片づけイヤって言うから
泣いちゃったよ?」


“ママ〜…?”


「パパもママも隆斗のことだいすきだから
ママの言うことちゃんと聞いてあげて?」


“うんっ!”


「よし、じゃあ、ままにごめんなさいしてこよっか」


“ママ〜…”


『…ん、?』


“ごめんなしゃい”


『隆くん、ママもごめんね…』


そういって抱き締めると


“ママ〜しゅき!”



なんて言ってくれるから
余計に泣けちゃって。



「隆ちゃん、ごめんね、ありがとう」


『俺こそ、何もできなくてごめん…よく頑張ったな』


そういって隆ちゃんが抱き締めてくれた。


久しぶりの感覚で。


幸せを改めて感じられた。


隆斗が言葉を理解できたかできてないかはどうでもいい。

ああやって成長していけたらいいなって。

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青龍 葵(プロフ) - #8の「作業着を選択」では無く『洗濯』です。変換間違えしてるので訂正お願いします! (2019年11月20日 7時) (レス) id: 027b8ced49 (このIDを非表示/違反報告)
莉々菜 - 頑張ってください! (2017年1月8日 23時) (レス) id: ec08520e3a (このIDを非表示/違反報告)
莉々菜 - おもしろかったです! (2017年1月8日 23時) (レス) id: ec08520e3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆちゃん。 | 作成日時:2016年12月23日 14時

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