私の恋の可能性 (ページ5)

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連れてこられた応接室のような部屋。

目の前には男性のスタッフ

なかなかイケメンだから

新人のアイドルかなとか期待が湧いたけど

スタッフと書かれたネームをさげている。

扉にはSP

きっと外にもSP

はぁぁ、なんだこれ…

『私の名前はキムヒョンウォン(HW)と申します』

『Aです。』

HW『日本人で間違いないですね？』

『はい…』

HW『かなりネイティブな発音に聞こえますが
いつから韓国に？留学生ですか？』

『いえ。』

私は今日韓国に初めて来たこと、

なにも計画性がなくここにきたこと、

とりあえず一連の流れを話した。

話すしかなかったと言ったほうがいいかもね。

この雰囲気。

HW『それは助かるよ～！ハハハハ！』

え？

なにが？

意味のわからない笑い声に寒気さえした。

．

HW『単刀直入に言わせてもらうね。
半年契約で通訳兼スタッフとして
働いてみない？

もちろん好条件で契約しよう。
月給この価格で、』

提示された額はそれはもう

高卒の私にしてはまあまあな額で

普通に暮らしていけるお給料だった。

HW『ほら、君ファンだからわかると思うけど

あいつらってあんな感じだろ？

通訳ももっと感性豊かな若い人がいいって

思ってたんだけど、まあ中々いなくて。

まあ、とても韓国人には見えない子が

あんなにネイティブに韓国語話すもんだから！

住む場所も決めてないなら、

事務所の2階なら仮眠室がある。

誰も使ってないし使いなよ。』

『え…そ、そんな。』

好条件すぎて困る。

だって、私、ただのファンなんだよ！？

こんなことってあっていいの？

HW『こんなチャンスたぶんもう一生無い。』

『や、やります！！やらせて頂きます！』

．

それから注意事項や最初のお仕事の話を聞いて

事務所に向かうことになった。

勢いでやるとか言っちゃったけど

大丈夫かな…

翻訳には自信があるから大丈夫だけど。

でも日本の活動が無い日のほうが多い訳で。

そのときは雑誌取材の翻訳とか

スタッフとして彼らのサポートをしてもらうから

ほぼ、毎日出勤とは言われたんだけど…

．