06 撫子の花束を君に ページ33
(柿ちゃん様 rq)
ある日の昼下がり。
2階の自分の部屋から降りてきた渡辺はリビングに広がるディスクの海に目を見開く。恐らく、この海を作り出しているのは真ん中で恍惚とした表情の佐久間。そしてそれを呆れ顔で見ている阿部。
渡「なにこれ」
佐「何って、DVD」
渡「にしても大量すぎ…」
佐「…どうしてもこの初回限定盤欲しくてちょっと目をピンクに…」
渡「そこで？！」
阿「…そもそも佐久間にその能力来ちゃった時点でって感じあるけど」
佐「そうその通り！」
阿「開き直るな」
未だに目を見開く渡辺は口元に手を当てたまま固まり、そんな彼を見て面白そうに近づいてきた宮舘は渡辺の目の前でふよふよと両手を振る。
数秒後、「うわ！」と叫んだ渡辺は何かを思いついた様子でリビングから消えた。
少しして戻ってきた彼の手にはもう中身が切れそうな細めのボトル。
渡「じゃあこのお高い化粧水とかも？！」
佐「任せな貸してみなさい」
渡「マジで？！」
むっ、と言う声と共に佐久間の眼が桃色に変化する。
すると机の上に現れた数本の新品のそれ。
佐「あー、ごめん昨日使いすぎてこれが限界」
渡「うわ！全然いい！！またやって！」
宮「こら佐久間を利用しない」
宮舘に制され少しふくれっ面をした渡辺だったが増えた化粧水にすぐ機嫌を直し嬉しそうに笑う。なんだかんだ宮舘も満更でもなさそうで、それを見て悶えている阿部。なかなかな混沌ぶりである。
阿「あ、佐久間非番か。どっか行くの？」
佐「久々に新しい嫁探してくる！」
阿「…ほどほどにね？」
るんるん、と効果音が着きそうな佐久間を見た阿部は困り顔をしながらも楽しそうな彼の姿に笑みを浮かべ、珈琲を一口啜った。
＊
バシャン、と嫌な音とともに体にくる痛みと冷たさ。
……ん？音？
急激な寒気で目を開ける。
水を浴びたと理解するのにそこまで時間はかからず、少しばかり色の落ちた飴色の髪から滴る水滴を上の空で見つめていた。
佐「佐久間さん冷たいのきら〜い…」
濡れて目にかかる前髪を払おうとしたとき、両手の自由を背後の柵に奪われていることに気づく。
これは厄介だと、この状況からどう抜け出すかを必死に考える。
あれ、そういえば俺アニメグッズの専門店から帰ろうとして、んで、そしたら後ろから羽交い締めにされたような。
佐「あーもう！」
誘拐された時の瞬間を思い出せば先程よりもかなりの量の水、しかもより冷たい、って
佐「いや2回目あんの？！」
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mu-pon(プロフ) - コメント失礼します。初めまして、mu-ponと言います。いろんな事情があったんですね。この小説がとても面白くいつ更新かなと街に待っていました！今からも大変だと思いますが頑張って下さい！応援してます！ (2020年6月30日 21時) (
レス) id: df04c4729a (このIDを非表示/違反報告)
藤菜 - 初めまして！佐久間大好き！あべさくコンビも大好きです！この小説とても面白いですね！頑張ってください！応援してます！ (2020年5月29日 10時) (レス) id: 624e77d1d4 (このIDを非表示/違反報告)
あんと(プロフ) - リクエストお願いします！ふっかさんが敵に誘拐されるお話が読みたいです。めちゃくちゃ好きなタイプのお話なので、今後も作品楽しみにしています！ (2020年5月25日 22時) (レス) id: 9203f39f18 (このIDを非表示/違反報告)
てんぷら(プロフ) - ゆり組のお話が読みたいです。2人の秘密に迫るというか、2人ならではの絆のお話しをお願いします。アバウトな感じですみません。。これからも応援しています。更新待ってます。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: d802e6ae3c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 藜さん» すみません！間違えました (2020年5月23日 23時) (レス) id: c9acd22823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藜 | 作成日時：2020年5月16日 21時
