05 聖夜、懸ける花よ ページ28
(名無しさん様 rq)
ちらちらと降っている雪に、鬱陶しいほどにさんざめく街。木には赤やら青やら色とりどりの電飾。
深「あー、そういえば明日クリスマスかあ」
ぼそりと呟いた彼はポケットに突っ込んでいた手に息を吹きかける。
息が白い。そりゃあ、雪も降るわけだ。
深「まぶしいねえ、」
幸せそうに道をゆく男女。手を繋いで歩く子供連れ。綺麗に見えるであろうその景色。
いろいろなことに手を染めてしまった俺には直視出来ない。自嘲的な笑いが込み上げてくる。
深「そういやラウールは欲しいものとかねえの？」
隣を歩く最年少に声をかけてみるも、うーんと唸るだけ。
そもそも今までクリスマスなんて考えたこともなかった、という答えに今度は深澤が唸った。
深「サンタさんになにか頼もうとか思わないの？」
ラ「思うけどいいかなって」
深「てことは何か欲しいものあるんだろ？言ってみ？」
ラ「…」
深「しゃーない、ふっかさんが買ってやるぞ？」
ラ「ほんと？」
深「うんうん、言ってみ？」
ラ「…ふっかさんとお揃い、最新式のリボルバー♡」
深「却下」
食い気味でNGを出せば「嘘じゃん！！」と深澤の背中をぽかぽかと叩くラウール。だってあれめちゃくちゃ高いしそもそも…
ラ「…今17歳にあげるものじゃないって思ったでしょ」
深「え」
ラ「顔に出すぎ〜！」
深「可愛い末っ子にそんな物騒なもの持たせられません！」
ラ「えー！僕だってそろそろ能力以外使いたいもん」
不貞腐れた面をするラウールに苦笑いをする深澤。
深澤をはじめお兄ちゃんズは極力ラウールには前線に立たせていないし立たせたくないし、何より最年少の手を汚したくなかった。
しかし彼からしてみれば8人の力になりたい、そう思うのも無理はない。
お互いの思慮を踏まえた結果、ラウールには能力だけ使わせて任務を遂行する、というやり方が雪花隊の中で暗黙の了解となってきていたのだ。
ラ「ふっかさん」
深「ん？」
ラ「さっきサンタさんになにか頼まないのかって、言ったじゃん」
深「うん」
ラ「……頼まないっていうか、頼ませて貰えないと思って」
ほら俺、小さい頃からいっぱい悪いことしてきたでしょ。
寂しそうに笑うその横顔から、目が離せなかった。
ラ「サンタクロースっていい子のところにしか来ないんだよ」
だから俺には一生来ないよ。そうはっきり言った銀髪の彼の背を、深澤は複雑な面持ちで見つめている。
先を歩く彼は昔の記憶を思い出していた。
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mu-pon(プロフ) - コメント失礼します。初めまして、mu-ponと言います。いろんな事情があったんですね。この小説がとても面白くいつ更新かなと街に待っていました！今からも大変だと思いますが頑張って下さい！応援してます！ (2020年6月30日 21時) (
レス) id: df04c4729a (このIDを非表示/違反報告)
藤菜 - 初めまして！佐久間大好き！あべさくコンビも大好きです！この小説とても面白いですね！頑張ってください！応援してます！ (2020年5月29日 10時) (レス) id: 624e77d1d4 (このIDを非表示/違反報告)
あんと(プロフ) - リクエストお願いします！ふっかさんが敵に誘拐されるお話が読みたいです。めちゃくちゃ好きなタイプのお話なので、今後も作品楽しみにしています！ (2020年5月25日 22時) (レス) id: 9203f39f18 (このIDを非表示/違反報告)
てんぷら(プロフ) - ゆり組のお話が読みたいです。2人の秘密に迫るというか、2人ならではの絆のお話しをお願いします。アバウトな感じですみません。。これからも応援しています。更新待ってます。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: d802e6ae3c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 藜さん» すみません！間違えました (2020年5月23日 23時) (レス) id: c9acd22823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藜 | 作成日時：2020年5月16日 21時
