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特に午後の任務もなかった雪花隊は買い物を任された阿部と岩本を除き、各自の部屋に戻るなり出かけるなり、各々自分の時間を過ごしていた。
黒で統一された物の少ない部屋の真ん中、大の字で寝そべる目黒もその1人。片手に握りしめた携帯の画面は長い間コンティニューの文字を点滅させる。どちらかと言うとアウトドア派の目黒にとって携帯ゲームはどうも性にあわない。
やり直す気力も無いままぼーっと天井を見上げていると左隣の部屋から凄まじい物音。
未だ鳴り止まぬ破壊音に不穏感を察した目黒は渡辺の部屋のドアをゆっくりと開け、視界に入ってきた惨状に目を疑った。
目「えっ？！ちょ、どうしたの？！」
渡「大丈夫だから…来ないで……」
目「絶対嘘！ちょっと顔見せて、って」
散乱した部屋の真ん中で、首を押さえて明らかに普通ではない蹲り方をしている渡辺の顔を覗けばいつもより圧倒的に血色のない青白い肌。ただ、いつも能力を使う時になる海のような青い目は左眼だけ。
目「…赤？」
目黒が見た渡辺の右眼は、動脈血のような鮮やかな赤色。
渡「……いいから……逃げろ……！！」
その言葉に目黒が縦に首を振る訳もなく、繋いだ無線の奥からは乱暴に戸を閉める音が耳を劈いた。
＊＊＊
目『しょっぴーの目が片方だけ赤くて、めちゃくちゃ辛そう！！どうすればいい？！』
目黒からの無線を受け取った宮舘の脳裏には最悪の想定が頭に浮かぶ。
翔太が目黒の首筋に噛み付いて、目黒の肌からどんどん血色が消える…駄目だ、それだけは阻止する。
宮「目黒？！」
目「舘さッ、」
宮舘が部屋のドアを乱暴に開けた先には、目黒と狂気に満ちた目をした渡辺が掴み合っていた。床には割れた写真立てに、散らばる美容関連の本。
息絶えだえで喋る目黒の首には締められたあとが見え、渡辺が【禁断症状】を起こしていることに宮舘は気づいた。
宮「目黒、逃げて」
目「でも！」
宮「頼む、任せてくれ」
目「……後で事情聴取、ですよ」
そう言い目黒を出て行かせた宮舘は壁で蹲る渡辺に近づく。渡辺の青い左眼は赤く侵食し始めていた。
渡「こないで、来ないで！俺、涼太、ころしちゃうかもしれない」
宮「…そうはさせない」
渡「頼むから…！」
渡辺の脳裏に浮かぶのは、自分が絞め殺した数々の屍。
そしてその真ん中で "血" を啜る自分の姿。
渡「俺はもう誰も大切な人殺すわけにはいかないんだよ！！！」
悲痛な叫びが、空気を揺らした。
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mu-pon(プロフ) - コメント失礼します。初めまして、mu-ponと言います。いろんな事情があったんですね。この小説がとても面白くいつ更新かなと街に待っていました！今からも大変だと思いますが頑張って下さい！応援してます！ (2020年6月30日 21時) (
レス) id: df04c4729a (このIDを非表示/違反報告)
藤菜 - 初めまして！佐久間大好き！あべさくコンビも大好きです！この小説とても面白いですね！頑張ってください！応援してます！ (2020年5月29日 10時) (レス) id: 624e77d1d4 (このIDを非表示/違反報告)
あんと(プロフ) - リクエストお願いします！ふっかさんが敵に誘拐されるお話が読みたいです。めちゃくちゃ好きなタイプのお話なので、今後も作品楽しみにしています！ (2020年5月25日 22時) (レス) id: 9203f39f18 (このIDを非表示/違反報告)
てんぷら(プロフ) - ゆり組のお話が読みたいです。2人の秘密に迫るというか、2人ならではの絆のお話しをお願いします。アバウトな感じですみません。。これからも応援しています。更新待ってます。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: d802e6ae3c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 藜さん» すみません！間違えました (2020年5月23日 23時) (レス) id: c9acd22823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藜 | 作成日時：2020年5月16日 21時
