綴られた手紙は…【佐野玲於】

9話 side涼太 ページ10

あれから、
良くなるどころか回復の見込みすらなくなり、
騙し騙し活動するのが限界になるほど
玲於の病気が悪化した。


仕事を制限しているのに……


薬の副作用は出始めるわ
段々食事がまともに出来なくなり
痩せ細ってきている。


公表して、まだ3ヶ月しか経ってないのに……


今日は玲於の今後の活動について
HIROさん始め、
先輩方、後輩達、
そして、僕ら全員で会議することになった。


HI「…今日、集まって貰ったのは他でもない。
玲於の今後の活動について、だ。

今はこの場にはいないが、
玲於とは事前に話してある。

『この会議で決まった事を了承する』

そう言っていたよ。」


HIROさんのその一言で、
会議室にどよめきが起こった。


…あの、玲於が……？


HI「今日は一人一人意見を聞いていきたいが、

あまりにも人数が多いからな。

EXILEとGENERATIONSメンバーだけにする。

3代目とRAMPAGEは
グループで1つ意見を出してくれ。」


HI「じゃあ、まずATSUSHIから……」


AT「俺は……」


意見を言っていく先輩方の声が
よく聞こえなくなっていった。


…なんで、玲於なんだろう……


なんで、なんで……


そう考えてたらいつの間にか泣いていた。


無意識のうちに流れた涙。


いつもこの涙は玲於が拭ってくれた。


温かいと感じていたはずなのに、
今日の涙はすごく冷たくて、
弱っている心には
鋭いナイフのようにも感じれるほどだった。


HI「…次はGENEだ。

リーダーの亜嵐から1人ずつ。」


亜「…はい。

俺は治療に専念して欲しいと思います。

これ以上、病気に蝕まれていく姿を見るのは
キツイです。

少しでも一緒にいたいけど、
苦しむ玲於の姿なんてもう見たくない……」


…俯いて、悔しそうに話す亜嵐くん。


本当はまだ活動したい。


でも、玲於が苦しんでるのを見たくない。


その葛藤はみんなある。


HI「…次、数原」


龍「はい。

俺はまだ一緒にいたいです。

…でも、病気に蝕まれていく姿を見たくはない。

なら、踊れなくてもいい。
サポートをしてもらいたい。

俺らのパフォーマンスは第三者から見て
どんな感じなのか。

俺らにはまだ、玲於が必要なんです」


……龍友くん…


HI「…次、片寄」





涼「…はい。俺は………」

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