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小瀧side*
珍しく大泣きしているA。
幼稚園の時もあったかも…なんて。
しばらく、ギューって離さないようにしてたら、
Aも強く抱きしめてくれるから、
なんか凄いドキドキしてて、
胸の音が聞こえないようにせな。って、
思ったけど、かなり難しいわ…。
「落ち着いた？」
と聞くと、俺の胸元で頷くA。
「何があったん？」
そう問いかけると、腕を解かれ、
顔を伏せながら、Aは口を開いた。
『ゆずみに』
「うん」
『……』
下向いて何も言わへんA。
なぁ、言いづらいん？
そんな俺って頼りないかな…。
「ちゃんと、受け止めたるから、聞かせて欲しい」
そう言ったけど、俺にはまだ自信なくて、ただ
Aの抱えてるものを、おろしてあげたい一心だった。
『…好きって言ってん』
「え…？」
『ゆずみがのんちゃんのこと好きやから、
うちも、ゆずみに、好きって、』
「誰のこと…？」
『…のんちゃんのこと』
「え……」
思いがけなかった。
だから、心臓が飛び出るくらい痛い。
片想いやったのに、
いつの間にか両想いやったんやから。
Aは、
最大限に顔を紅くして、泣き顔で
『ほんまに、大好きやからっ、
ゆずみに嘘つけなくて、言って、したら』
って言うから、
「A、ありがとう。
しゃべらんくてええで。辛いもんな」
もう苦しいAを見れんくてとめた。
Aのことやから、きっと、
ゆずみのこと傷つけたから、
縁切られるかもって、思ってんねやろな。
『こんな苦しいって、思わへんかった』
「ごめんな、A。」
『なんで、なんでのんちゃんが謝るんっ、』
Aの気持ちに、気づかれへんかった。
それに、不安にさせて、苦しい思いさせてもうた。
「いつから、俺の事、好きやったん？」
『…わからへんけど、気づいたのは、
昨日…。』
「昨日って、近々やな…w」
それは気づかれへんわ。w
『…しょうがないよ、昨日、しげが教えてくれた』
そうなんや、しげ…。
今度盛大になんか奢るわ。
「ほんまに俺のこと好きなん？？」
『………好き』
そういうAをみて、俺はいつも以上に
心臓が痛かった。
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作者名：すのォ | 作成日時：2019年1月3日 23時
