13話 ページ22
降谷零が自宅に帰ると、いつものように
桜智がリビングで待っていた。
『おかえり。零さん。』
綺麗な瞳が輝く。零も桜智に寄り添い、
ただいま、と返す。
零「ん。いい匂いだね。お風呂はいったのかい?」
『うん。零さん、今日遅いっていうから
早く入っちゃったよ。』
零の肩に頭をのせる桜智、いつもの
キャミソールに短パンという、大胆な格好が
零の心を密かに締め付けていた。
零「………桜智。」
そういい、右手を桜智の頭にまわし、
顔を近づける零……。
『………零さ…………あ!』
零「⁉??」
『そういえば………。』
ピッと、テレビをつける桜智。
するとそこには桜智の父親である桜章
が写っていた。
桜章が記者にコメントをしていた。
桜『本日は娘がご迷惑を……。
将来の後継だというのに全く。ははは。
困りましたねぇ。
本人も後継になる気があるのですが、
今まで世間にあまり出ておらず、家の未来のため
私の指示通りに帝王学などを学んで…えぇ。
警察には一刻も早く行方を見つけて
欲しいものです………。』
零「くそ……。なんで男だ。桜智。
だいじょ………」
零は桜智の方を見た。桜智はいつもの
涼しい顔ではなかった。
『…………っ。』
怒りに満ちあふれていた。
この時桜智が父に対し、どんな感情を
持っているか、零には察しがついた。
『大丈夫だよ。零さん…。
ああいう人だと…もうわかってるわ。』
桜智は零に言う。
『私には…零さんがいるもんね………。』
大丈夫だよね………。
そう呟き、桜智は零のスーツの裾を掴む。
この子をこんな苦痛から早くのがしたい。
だからコナン君や赤井の力が必要かもしれない。
いつか僕の正体がばれようともこの子を
守れるなら構わない…。
その時が怖い………と思いながら、
彼女の肩をつかむ零だった……………。
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作者名:椿油 | 作成日時:2017年5月5日 11時