8話 ページ16
今日は桜智にケーキのサプライズをしよう。
零「毎日家で一人だもんな。
せめて美味しいものでも食べさせたいな。」
降谷零は残りの仕事をさっさと片付けて
マンションに向かっている。
零「でも…桜智のお母さんは……本当に。」
いかんいかんと零は首を振った。
愛しい黒猫のような可愛い桜智が待っているんだ。
マンションの最上階についた。
家の玄関の前に立って鍵を開けた。
零「桜智…ただい……」
リビングのドアが開いていた。
そこに見える彼女の影。小さくうずくまっていた。
零「桜智…?」
『うっ……グスッ…』
コートを揺らして慌てて家に上がった零。
その目に映ったのはソファに顔を埋めて
泣いている桜智だった。
薄桃色の唇を噛み締め、綺麗な藍色の
瞳から流れる大粒の涙が彼女の頰を伝っていた。
『れ…い……さん?』
零「何かあったのか⁉
こんなに涙を流して……。」
零はとりあえず彼女の肩を支え、
ソファに座らせた。また彼もスーツから
部屋着に着替え、桜智に飲み物を与える…。
零「桜智…。何があったか話してごらん?」
桜智の隣に座り、問いかける零。
桜智はしばらく黙り込み、口を開く。
『過去の夢を見た…。それと………
お父さんから……帰ってこいって………。』
零「 ‼ 過去って…まさか。」
この子のお母さんのことかもしれない。
零はさらに問いかける。
零「桜智。どんな夢を見たんだ?」
全ては彼女のため、彼女を救うため。
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作者名:椿油 | 作成日時:2017年5月5日 11時