98.逃げるは恥だが役に立つ ページ49
いや、シンプルにヤバいですよね。
私はまだ燃えていない木の枝に飛び、そのままその場を逃げる。
逃げるは恥だが役に立つのだ。
「逃げんなよッ！」
「うわっ！？」
飛び移っていた枝が折れて、私は地面に落ちた。
「っ……！？」
毒がもう蔓延している。私は息を止め、その場を離れようと立ち上がろうとした。
「逃げんなよ」
「っ！！」
ガッと首を後ろから押され、床に固定される。かと思えば、そのまま背中に乗られた。
「ッは、俺らが味方まで毒すような奴らだと思ったのかァ？」
「っ〜！！」
「いつまで続くだろうな、その無駄な抵抗は」
ハハッと笑われ、私は両手を合わせようとした。
「逃げんなって言ってんだろ？」
バチン、と片手に容赦なくかかと落としされる。
「っ〜！」
力はあるのか……！ この体制だと、抜け出したくても抜け出せないし……！
「以外と持つなァ。面倒くせェ」
この手折っちまうか？ とグリグリと手の甲を踵で押される。
抵抗できないのがなんとも言えないところだし、そろそろ息が切れる。
「っ目的は……！」
「お前と爆豪勝己の拉致が目的だ」
「私……？」
「お前の個性をさぞ気に入ってたぜ？ リーダーは」
「…………」
酸素が頭に回らなくなってきた。ぷは、と思わず口を開き、盛大に空気を吸った。
「ッ──！」
頭がぼんやりして、それで、私の意識がブチンと切れた。
「バカだなァ、ホントによォ」
そんなヴィランの声が、頭にくっついた。
◆◆◆
「おはよう。ヒーロー志望の爆豪勝己くん」
どこかのバー。
カウンター席に座る一人の男が、拘束されている爆豪に対しそう言った
「……テメェ、もう一人はどうした」
爆豪が言っているのは、“時雨A”のことだった。
この場におらず、だが自分が直前に見たときには彼女がいたからだろう。自分とは別の場所に連れ去らわれ、“酷いこと”をされていてもおかしくはない。
なにせ、相手はヴィランだから。
「はは、目覚めてすぐにお仲間の心配かい？ ヒーロー志望は他人への思いやりが強いねぇ。
……まあ、それは俺も聞きたいとこなんだけど」
死柄木弔は横にいる荼毘へ視線を移す。
「チッ……」
荼毘は、大きく舌打ちをした。
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
