97.蒼炎使い ページ48
「虎！ 指示は出した！ 他の生徒の安否はラグドールに任せよう！！
私らは二人でここを抑える！ みんな行って！ 良い！？ 戦闘は決してしないこと！ 委員長引率！」
……ダメだ。
ただえさえ、この数日でプッシーキャッツの皆さんは戦闘向き個性ではないのは分かっているのに、こんな身勝手に個性をふるい続けるヴィランが、しかも雄英を襲うヴィランが弱いわけない。
ラグドールが“負けない”という根拠がどこにもない。
「時雨くん！？」
駆け出した。まずは山中の火を中心に、ぐるっと回って皆を探す。ヴィランを見るけれたなら、私の個性で逃げれる。
「大丈夫です！！ 行ってください！！」
山に入り、焦げ臭いのを辿っていく。誰も見つからないが、きっと誰かは見つかるはずだ。
「あァ？」
「え」
とまあ、中に入って十分もしない内にヴィランと接敵した。誰かは見つかりましたね……うん。
「ヘェ、こりゃ運が良い。まさかターゲットと会えるなんて、なッ！！！」
語尾を強く言うと同時に、数秒のタイムラグで蒼炎を出したヴィラン。それを軽々と避けて、私は問いかける。
「“ターゲット”？」
「リーダーがお前を指名したぜ？ 時雨A」
「……はあ」
まあそれはなんだっていい。
「ラグドール、見てませんか」
「あァ？ ……緑髪の奴か。もう死んじまったかもなァ？」
地面を蹴った。
「“倍速(スピード)”」
速度で潰す。
「ッは！ やるかァ！？」
私のアドバンテージを最大限活かして戦う。
炎を出す為に伸ばされた手の下を通り、懐に潜った蹴った。
ザァァァ、と相手は数メートル程離れる。
……近接は全然、という感じか。
「名前はなんですか」
「話をするくらい余裕あるのかァ？」
「何言ってるんですか。ここで勝って私は逃げますからね」
「ヘェ、そりゃ余裕なこった！」
炎が来るまではまだ良かったのだ。
だが、後ろから桃色の煙が出てきた。
「！？」
私は横に飛び上がる。
毒かなんかか……？
「ハハッ、いいのかァ逃げなくて？」
いや、毒の場合この人にも影響がある。私は個性使って逃げればいい、ギリギリまで耐える。
「ヴィランに背を向ける程、バカじゃありません」
「そうかァ。そりゃ良かった」
辺りを炎で囲われた。しまった、そういう使い方ができるのか……！
「耐久勝負だぜ？ 時雨A」
「…………」
98.逃げるは恥だが役に立つ→←96.ハグをするとストレスが軽減されるらしい
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
