95.世間知らずを超えたただのバカ ページ46
あ 私は包丁を置き、轟さんと自分の位置を交代させた。轟さんは早速包丁を持つが、
「左手違います」
「え、」
「猫の手です。握ってください」
グー、と私もして相手に見せる。轟さんは左手をグーにした。
「それで切るんです」
「……こうか？」
「違います。玉ねぎの繊維の方向に切るんです」
玉ねぎの向きを変え、「縦に」と言うと、端からゆっくり切り始めた。
「太いです。もうちょっと細く切ります」
「おう」
「細すぎますよ。それ溶けます」
「溶けんのか、玉ねぎって……」
あまりにも下手。教えるのが私で良かった。爆豪さんとかだったら、今頃キレ散らかしている頃だ。
「あ、そんな感じです。上手ですね」
「……おう、」
ストン、ストン、とやっとマトモに切れるようになって来た。
「……なんか目ぇ痛え。涙出てきた」
「ほら。私もそうだったんですよ」
「そうだったのか」
「悪ぃ、疑っちまって」と私に言うが、それを言うのは私でもあるが、私以外でもいるハズだ。
「そちらの人にも謝ったら如何ですか」
「そうだな。……悪ぃ、疑っちまって」
「俺は大丈夫。疑い晴れて良かったわ」
「良かったですね。爆豪さんだったらこれじゃあ済みませんよ」
「そうだな」
「爆豪ってどんだけ怖ぇの……？？」
どんだけ、と言われたら少し迷うが……。
「「四六時中キレてる」」
「A組やべーな」
その後、全員仲良くカレーを嗜んだ。あの人は鱗飛龍さんって言うらしい。中国人?だそうだ。
◆◆◆
峰田さんの覗きを阻止した後、部屋で耳郎さんと話していた。
「そういえば、Aってあの後轟となんかしてたの？」
「？ ……え、いつの話ですか？」
「ほら。アンタ王様ゲームの途中で瀬呂の上で寝て、轟に運ばれてたしょ」
「え？？？？」
「しかも、十分くらい轟帰ってこなかったから。なんか話してたのかなぁって思ってたんだけど」
私にはそんな記憶、全くもってない。寧ろ私、よく瀬呂さんの膝で寝れたな。どこでも寝れちゃうのかな。
「別に……私は知りませんけど」
「ふーん？」
「なんですか、その顔」
「いやあ。なーんか、轟って怪しいじゃん？」
「怪しいって……」
はあ、と私はため息を吐いた。
「あの人天然と世間知らずの混じった人ですし、そういうの知らないというか、わからないと思いますよ」
「それもそう？」
ただ、ああいうことを女子にいっぱいしてるなら、その内女たらしって言われても仕方ないかもしれない。
96.ハグをするとストレスが軽減されるらしい→←94.世間知らず＋天然＝？
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
