94.世間知らず＋天然＝？ ページ45
「さあ！ 昨日言ったね！ “世話焼くのは今日だけ”って！」
「己で食う飯くらい己で作れ！ カレー！！！」
私の筋肉は今にでも引きちぎれそうなくらいに痛い。
この状態でご飯を作れと言うのですか。
なんてみんなも思っているだろうが、「イエッサー」と今にでも消えそうな声で返事をした。
「全員全身ぶっちぶち！！ だからって雑なねこまんまは作っちゃダメね！！」
カレーって言われているのに、ねこまんまを作るおバカさんなどいるのでしょうか。
「はっ……確かに、災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一環！」
え。
「流石雄英！ 無駄がない！ 世界一うまいカレーを作ろう、皆！！」
「「「おー……」」」
そんなにも元気な理由が知りたい。というか、見習いたい。
「…………」
皮が向かれた野菜を、無言で切っていく。一人暮らしをしているもので、その手さばきは自分でも良いのではないかと思えた。
「あ」
隣で作業していた、後ろで三つ編みをしている男の人が呟いた。チラリとそちらを見ると、指を切っている。
「大丈夫ですか？」
包丁を置き、手を取った。
「え！？ だだだ大丈夫です！！！！」
どうしたんだろう、と思いながら「失礼しますね」と言い、“逆再生”を行った。
「か、回復……？」
「そんなに万能ではありませんけど……。まあ、切らないようにしてくださいね。痛いですから」
「ハイッ！」
人参は今爆豪さんが切っているので、私は玉ねぎを切っている。少々……いや、だいぶ目が痛い。
「…………」
あ、涙出る。
視界がぼやけ、涙が出た。
「大丈夫か？」
「は」
そこで、轟さんが話しかけてきた。
包丁を持つ私の手を上から覆い、もう片方の手で頬に手を添えて、自分の方へ向かせた。
「泣いてんの見えちまった。どっか痛えのか？」
「いや、」
「……ソイツになんかされたか？」
「俺！？」
「いや何にもされてないですから……」
やめてください、と頬に添えられた手を退かした。だが、
「泣いてんのになんにもされてねぇ、してねぇはないだろ」
また、轟さんの方に顔を向かされた。
この人、玉ねぎ切ってたら涙出るなんて知らないんだろうな。
「轟さん、玉ねぎって切ってたら涙出てくるんです」
「そんな嘘で騙されねぇ」
どれだけ嘘下手な人だと思われてるの。
「本当ですって。やってみます？」
「……おう」
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
