54.プロヒーロー職場体験 ページ5
朝のホームルームが始まった。
正直、轟さんのことでだいぶもう滅入っているのだが。
「今日のヒーロー情報学、ちょっと特別だぞ」
そんな事を相澤先生に告げられ、思わずため息を吐いた。もうどうにでもなってしまえ。
「“コードネーム”。ヒーロー名の考案だ」
ドッと教室が歓声で満ちたが、相澤先生の睨みによりすぐに沈まされた。流石である。
「というのも、先日話したプロヒーローからのドラフト指名に関係してくる。
指名が本格化してくるのは、経験を積み即戦力として判断される二、三年から」
ヒーローネームの考案は、職場体験で呼ばれる時のもの……だろう。
「つまり、今回一年のお前らに来た指名は将来性に対する興味に近い。
卒業までにその興味が削がれたら、一方的にキャンセルされるなんてこともある」
大体の人は、ボチボチそこで活躍して、サイドキックになって数年後事務所を立てる、というのがセオリー。
「頂いた指名が、そのまま自分へのハードルになるんですね！」
「そう。で、その集計結果がこうだ」
ギュイーン、と名前から右に伸びていく四角形。
「……え……」
三位という体育祭の順位で、私の指名は二位の座に立っていた。
「例年はもっとバラけるんだが、体育祭一位二位、あと……イカ焼きの影響で時雨が注目を浴びた」
「…………」
イカ焼き効果恐るべし、と上鳴さんの声が聞こえた。
「時雨。お前なんでイカ焼き持ってたんだ」
「……食べたくて」
「ギリギリに買うな」
「食べれるかなって……と思ったら表彰台に速攻乗せられると思わないじゃないですか……」
「時雨には悪いが、イカ焼き少女という名前で子供からも大人からも何故か注目を浴びてるからな。
メディアでも記事でも散々取り上げらてるぞ。SNSじや余計にな」
指名が集まったのは良いことなのに、拭えない残念感。複雑な気持ちがぐるぐると回り、私は額を机に擦り付けた。
「この結果を踏まえ、指名の有無に関係なく職場体験に行ってもらう」
だからヒーロー名か。これ、イカ焼き少女にしなかったら怒られそうだな。
「まあ、そのヒーロー名は仮だが適当なもんは」
「つけると地獄を見ちゃうよ！！」
体育祭での主審兼司会役、ミッドナイト先生が現れた。
「学生時代につけたヒーロー名が世間に認知され、そのままプロ名になってる人、多いからね！」
「ま、そういうことだ。その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうのできん」
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
