87.仲睦まじいA組 ページ38
「──スタート！」
「“停止(ストップ)”」
開始した瞬間に、そう唱える。
外周を周ってゴールへ行き、個性を解除した。
「「「え！？」」」
ザバァッ！ と三人がプールに落ちた。
「十七時だ。プールの使用時間は終了だ」
「えー！？ 良いとこだったのに！！」
「なんか言ったか？」
「「「なんでもー！」」」
……どうやら、プールの終了時間らしい。
私は最後まで爆豪さんに怒鳴られた。怖いなあの人。
「いやー、凄いなぁAちゃん！」
「流石ですわ」
「ソンナコトナイデス！！」
照れながら、水着を袋に詰める。
「あ、この後皆でなんか食べに行こ！！」
「いーじゃんっ！」
お金は一応持ってきているし、問題は無い。大丈夫だ。
「てか、上鳴と何話してたの？ A」
──｢時雨は好きじゃなくても轟は時雨のこと好きだと思うんだよね｣
「……なんでしたっけ」
「なにそれ、どういうこと？」
耳郎さんは笑いながらそう言った。私も何が言いたかったのかわからない。
荷物を持って外に出ると、男子たちが待機していた。各々ジュースを飲んだり、談笑したりしている。
「おっ、キタキタ」
「やっぱ女子は髪とか乾かすのでおせーな！」
「うるさい上鳴」
「ギェッ」
耳郎さん、相変わらず容赦ない。
「あ、女子で今からなんか食べに行くんだけどみんなも来る？」
「行く！」
「行こーぜ、爆豪！」
「行くわきゃねーだろ！」
スマホを片手に、その風景を写真に撮って親へ送る。すると、すぐに既読がついて『仲がいいのね』と返信が来た。『みんな優しいよ』と送り、スマホの画面を閉じる。
「なんか見てたのか？」
「ビッ……くりしたぁ。轟さんですか」
「おう。……あ、悪ぃ」
轟さんはスッと1メートル程離れた。
「アレルギーだから近づかねえ方がいいよな」
信じてるんだ、という声は抑えて「ですね」と同意する。
「…前に触ったりしてるが大丈夫なのか？」
「薬飲んでたので」
「そんな薬あんのか」
世間知らずというか、なんと言うか。
「なんか食べに行くんだよな。俺もついてく」
「そうですか」
私は近くにいたお茶子ちゃんにピッタリくっついた。「どしたん？」と聞かれたが、「なんでもないです」と返す。
「さっき轟ちゃんと話してたからなんかあったのね」
「なんでもないです」
「イケメンやもんなぁ」
「なんでもないです」
くそ、なにも聞いちゃいない。ていうか聞いてくれない。
「そんじゃ、駅前行こー！」
「「「おー！」」」
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
