85.ラブコメの相手は壁 ページ36
なんやかんや準備体操を終えて、バレーを始めた。
「それっ！」
「ええい！」
「っや！」
「ていっ！」
「はいっ！」
「っしょっと！」
お隣の男子たちは、“体力強化”という名目でここに来たらしく、みんな鍛えていた。今は休憩中みたいだが。
「A！」
「え？ っぉわ！？」
急なパスに対応しきれず、私はボールを返せなかった挙句、水中で足を滑らせた。
「っへぶ」
「大丈夫！？」
「大丈夫です」
死にかけた。
そして、そんな中隣から飯田さんの大声。
「競走をしよう！」
そんなの、女子メンバー(一部)が聞き逃す筈がなく。
「あっち混ざり行かない！？」
「行こ行こ！」
「いいですわね！ お手伝いさせて頂きましょう！」
「おもしろそーじゃん」
「ええやんええやん！」
「ケロケロ！」
皆、私が男性肌恐怖症(そんなの無い)なことを忘れてしまったみたいだ。
私は乗り気じゃないものの、一人で遊ぶのは悲しすぎるので皆について行った。
競走が始まろうとした所に爆豪さんと、爆豪さんを連れてきた切島さんが参戦し、改めて競走が始まった。
私はと言うと、女子の皆が応援へ行ってしまったので一人壁と見つめ合いっ子していた。
皆が日常でラブコメしている相手は壁なのかもしれない。
「しーぐれ！」
目の前に現れたのは上鳴さん。ふい、と顔を背け、「はい」と返事をした。
「どうしました？」
「いや、なんでそんな壁の方いんのかなって思っただけだぜ？」
「そ、そうですか……」
「そ！ で、どしたの？ なんかあった？」
「……いや、その……」
「おー？ もしかして俺に惚れちゃっ」
「ないです黙ってくださりやがれ」
「酷くね！？」
問答無用で上鳴さんを黙らせ、はあとため息をつく。
「……その、ええと。……恥ずかしい話、男の人の上裸とか、肌とか、見れなくて。腕とかならまだ、あの良いんですけど」
「……え、なにその可愛い理由。女子だな？」
「女子ですが？？？」
「耳郎より女子じゃ──いってぇぇ！！」
どこからともなく耳郎さんのプラグが現れ、上鳴さんに刺さった。
「っくそ、アイツやべー。時雨もひでぇと思わねぇ？」
「思いませんけど……」
「女子って辛辣……」
そんなもんですよ、とはいわず。
「上鳴さんを受け入れる人も世の中には沢山いるでしょうよ」
と言い、慰めのような言葉を選んだ。
「いい事言うじゃん！ ……なー時雨、聞きてぇんだけどさ」
「なんですか」
「……もしかして轟のこと好き？」
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
