81.最早罠 ページ32
「舌ヒリヒリする……」
「えー……持ち帰りますか？」
「いや、ダメだ。こんなの見られたら親父に何言われるかわかったもんじゃねぇ。
……それに、持って帰ったところで食えるかわかんねぇ」
「えぇ……冬美さんとかは……？」
「姉さんは辛いのダメだ。夏兄は食えるが……一人暮らし中でいねぇ」
ルートが来ている。私が食べなければいけないルートが。
嫌ですよ絶対。
「……悪ぃ」
とても悲しそうな表情をして、短く謝罪を述べた轟さん。
「〜〜っもう分かりましたよ！ 食べますから……！！」
「良いのか？」
「いーですよ！！」
半ばヤケクソでハンバーガーを受け取り、食べた。注文する前の自分に言いたい。
「ちゃんと辛いもの食べれるか聞いて」
って。
「お。そういえば、おもちゃ開けるか」
もうダメだ。笑い堪えるのにどれだけ必死か分かってないでしょ轟さん。
轟さんが選んだおもちゃは、マッ〇のお仕事体験ができるぞ、みたいなおもちゃ。例えばレジだとか、ジュースを入れたりだとか。
「あ、レジだ」
自分の手よりも少し小さいおもちゃを両手で持ち、目をキラキラとさせている轟焦凍(16)。
言動や顔が小学生にしか見えないのに、私よりも身長がデカイからかそう思えない。
(※轟くんは176、Aは157。およそ二十センチ差)
「……時雨」
「はい？」
「ありがとう」
急に名前を呼ばれたと思えば、言われたのは感謝の言葉。
「ずっと友達と行ってみたかったんだ。相澤先生が個性把握テストん時「放課後マックで談笑」って言ってて。
……けど、そん時はまだ友達なんて作る気一切なかったから、今になって行きてぇな、って思って。
俺の我儘に付き合ってくれて、ありがとな」
そういえばそんなこと言ってたような、と思いながら、私は返事を返す。
「私こそ、ありがとうございます」
私が友達とここへ来たのは、およそ二年ぶり。
それから親としか行ってなかったし、三奈ちゃんたちとはカフェなどのオシャレな店だった。
「“友達”も来られて、嬉しいです」
「！ ……おう」
ちょっぴり照れくさいが、まあこれくらい……良いか。
「さ、片付けますか」
「おう……！」
初めての体験だからか、本来面倒くさいと思う片付けに目を輝かせた轟さん。
その目には、体育祭前との対比が見えたような気がした。
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
