80.口にねじ込みたい衝動 ページ31
「もらわねぇのか？」
「この番号があのモニターに映ったらもらえます」
世間知らずだ……。
まあ仕方ないと言えば、仕方ないのだろうが。
「そういや、「スマイルください｣って言ったら、店員さんからスマイル貰えるって聞いたんだが……」
「は、誰に聞きました？」
「芦戸と葉隠が話してた」
話してそう。
イケメン店員さんがいたら頼んでそう。
「そうですか。店員さん側からしたら迷惑なので言わないでくださいね」
「そうなのか……」
こんなイケメンに「スマイルください」なんて女性店員さん言われてみろ。全員倒れるぞ。
体育祭とのギャップで。
すると、案外早くにモニターに番号が映った。
店員さんからトレーを受け取る。
「あそこ座りましょうか」
二人席の場所へ座り、トレーを置いた。
「いただきます」
「……いただきます」
轟さんの頼んだものと、私の頼んだものをわけてそれぞれ食べ始めた。
ポテトを一本手に取り、パクッと口の中にいれる。噛むと、カリッというか、サクッというか、ホクッというか。
マッ〇にしかないあのポテトの感じがした。
「嬉しそうだな」
「ッへ！？ ……そ、そんなことありませんよ。……多分」
もぐもぐと、ポテトを頬張る。美味しい。
「これがナゲットか？」
「はい。バーベキューソースに着けて食べるんです」
「ばーべきゅーそーす？」
ソースを手に取り、ペリペリと蓋を剥がした。
「これにナゲットを着けて食べるんです」
「着けて食べる、」
「ポテトに着けてる人もたまにいますね」
轟さんは掬うようにしてナゲットにソースを着けると、一口食べた。
「時雨も食うか？」
「……いや、私はいいです」
「そうか」
私は一度ポテトから手を離し、バーガーを開いて一口食べた。
スパチキはチキンではなくハンバーグの方もあるが、私は断然チキン派である。ハンバーグの方も美味しいけど。
それから暫く、お互い黙々と食べていった。
私がハンバーガーを食べ終えた頃、もう轟さんはナゲットとポテトを完食しており、バーガーに手を付け始めていた。
「……なぁ、時雨」
「はい？」
「……辛ぇ」
両手でバーガーを持ちながら、微妙な顔をしている轟さん。口の周りにはあの辛いソースがついている。
いや子供か……！！！
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
