70.密室の中に男女、何も無いわけが……？ ページ21
「Aー！ 一緒にクレープ食べに行かなーい？」
帰りのホームルームが終わった直後、三奈ちゃんが元気よく声をかけてきた。
「あ、うん。良い、」
「悪ぃ芦戸。時雨は俺と用事があ、」
「るッ！？」と轟さんのみずおちに肘を打った。
三奈ちゃんは断られたのにも関わらず、とても輝かしい瞳で「イ良い報告待ってる！」と教室を出ていってしまった。
「図書室行くぞ」
「……痛くなかったです？」
「痛かったから行くぞ」
半ば引きずられるように、図書室へと向かった。
図書室。特に誰もおらず、図書室の中にあるちょっとした勉強用の個室に入る。
「はぁ……」
「そんな嫌か」
「勉強も嫌ですし轟さんも嫌ですけど」
「……おう」
「……すみません、オブラートに包めば良かったですね」
「いや、時雨の言う通りだ」
「寧ろ嫌われない方がおかしいな」と言いつつ、結構悲しめな表情をしている。
……なんかすみません。
「そういえば、轟さんって中間何位でした？」
「五位だ」
「……は、」
「？」
頭良さそうな顔してるし……まあ……。
「……理解を拒んでる……本能が……」
「？」
めちゃくちゃに理解を拒んでいる本能。
下に見ていたわけではないが、そんなに順位が高いとも思っていなかった。
荷物から苦手な英語の教科書やらワークやらを取り出し、椅子に座る。
……なんだか目がしょぼしょぼするな……。
「それじゃあ、やるか。一時間経ったら休憩挟むぞ」
「はい」
◆◆◆
結論から言おう。
寝た。
何がどうしたって聞かれればまあ……眠たかったのに加え、個室の暖かさと静かだったというのが重なって寝た。
それも、一時間しない内に。
自分の腕の中で目が覚めたのは良いが……私はどういう顔をして起き上がればいいのだろう。
シャーペンの滑る音は今も聞こえているし。
すると、カタンとシャーペンの置かれた音が聞こえた。「え？」と思いながら、ジッと身動きをとらないように耐える。
ぽふ、と頭の上に手であろうものが乗り、撫でた。
……撫でた？
「？？？？？？？」
この部屋には私と轟さんしかいない。
シャーペンが置かれたということは手が空いたということ。
じゃあ私の頭を撫でているのは？
……え、なんで？
考えた末に、私は轟さんのものであろう手を掴んだ。
「お」
「……何してるんですか」
私が言えたことではないが。
「気持ちよさそうに寝てるから、撫でてやろうと思って」
「は？」
嘘も大概にしてくれ。
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
