67.睡眠不足は体調不良の源 ページ18
一週間の職場体験を終えて、無事登校学校へ登校してきた。
あの後、轟さんが退院してすぐにエンデヴァー事務所へ戻り、職場体験を再開した。
署長さんが言っていた通り、ヒーロー殺しの事件はもみ消された。
「……眠い……」
職場体験を終えたのは良いものの、私は睡眠不足に苛まれていた。
頭がボーッとする。今日、授業中寝るかもしれない。
私が寝不足の理由は、勉強である。
近頃、期末試験が行われる。中間テスト十三位と半分以下であることに、私は危機感を覚えていた。
だからと言って、睡眠時間を削って勉強していたのは……馬鹿だが。
カクン、カクン、と顔を下げては上げてを繰り返し、ゴシゴシと眠気を覚ますように目を擦った。
「目ェ腫れるぞ」
その手が掴まれた。上を見あげると、轟さんがいる。
「……ねみぃのか？」
「ええ、まあ……ちょっと」
ちょっとどころじゃないけれど。
そんな時、上鳴さんが一段と声を上げた。
「大変だったのはお前ら四人だよな！」
「……いや、私は特に何も……」
「どうした時雨！？ 呂律回ってねぇぞ！？」
「えぇ……？？？」
そんな回ってなかったかな、と口の中で舌を軽く動かす。
……こんな寝不足に弱い人間だったかな。
「A生きて〜！」
「私は生きてるよ……三奈ちゃん……」
ぐわんぐわんと三奈ちゃんに肩をゆらされ、ひと段落した頃、机に突っ伏した。
……眠い……。
「時雨」
「なんですか……」
私は、腕の中にある顔だけを動かして、轟さんの方を見る。
「ここ最近、寝てるか？」
「……え」
「寝てるか？」
「隈できてるぞ」と私の目元に指先をつけた。私はその手を払う。
「……いぃえ……」
真剣に聞かれていたものなので、私は視線を背けて、小さくそう答える。
すると、轟さんは私の視線の外へ行き、ヒョイっと私を抱えた。
「……え？」
「芦戸、保健室行くから言っといてくれねぇか」
世間一般で言う“お姫様抱っこ”、“横抱き”と呼ばれるものを現在進行形で体験していた。しかもイケメンに。
嫌いだけど。
嫌いだけど！
「悪い、気持ち悪くならねぇようにはする」
「いや……違くて……え？ ……下ろしてもらえます？」
「そういうわけにもいかねぇだろ」
そういうわけにさせてくれませんか？
轟さんは私を抱えたまま教室を出た。
周りの登校中の生徒が、ギョッとしたような目でこちらを見た。
やめて見ないで。お願い下ろして。
顔を手で覆った。
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
