51.惨状の表彰台 ページ2
「今年度、雄英体育祭一年の全日程が終了！ それではこれより、表彰式に移ります！」
表彰式に移ってしまうみたいです。
あの後、すぐにスタジアムの外にある屋台でイカ焼きを買った。
サービスで二つもらったのは良いものの、爆豪さん対轟さんの試合が早く終わってしまい、両手にイカ焼きがある状態で表彰台に登ることになってしまった。
ゴゴゴ、と駆動音を立てて上がる表彰台。差し込む光に目をすぼめて、現実逃避した。
「爆豪にもツッコミてぇけどよ……」
「時雨……お前は真面目な奴だと思ってたぜ……」
「いやぁぁぁ羞恥！！！！
誰か変わってください！ 変わるので！！ もう順位とか何でもいいのでッッッッ！！」
両手のイカ焼きで顔を隠す。もう無理だやっていけない。
「三位には時雨さんと、あと飯田くんがいるんだけど、ちょっとお家の事情で早退になっちゃったので、ご了承くださいな」
どうか夢であれ頼む。
「それではメダル授与よ！ 今年メダルを贈呈するのは勿論この人！」
渋々立ち上がり、隠していた顔を晒す。天を見上げると、そこから人の影が一つ。
「「我らがヒーローオールマイト！ ／私がメダルを持って来た！」」
拘束されたまま暴れる爆豪さんもそうだが、この二人のセリフ被りも相当締まらないのではないだろうか。
二人はなにか会釈し、メダル授与式に移る。……メディアさん。こっちにカメラ向けないで。
「時雨少女、よくやったね。と、言いたい所だがそのイカ焼きは？」
「ふんっ！！」
私はオールマイトの開いた口にイカ焼きを一つ突っこんだ。
「……本当に……食べたくなっただけで……」
「ほ、ほうふぁい(そ、そうかい)」
オールマイトは一口でイカ焼きを食べ、串を懐にしまうとメダルを出した。銅色に光るメダルだ。
「君は個性をメインに、自身の体での戦闘を頑張っているみたいだね。
だが、まだまだ個性伸ばしが上手くいってないのかな？ これからはそこをメインにしていくと良いかもしれないね。
とても強かったよ。おめでとう」
「ありがとうございます」
首に紐が通る。輝く銅色だが……今はとても喜べる状況ではない。本当にこのイカ焼きをどうにかしたい。
誰か助けて。
「てな感じで最後に一言！ 皆さんご唱和ください！ せーのっ！」
「「「Plus ultra！ ／お疲れ様でした！」」」
「「「……え？」」」
そこはPlus ultra！ でしょオールマイト！！ とオールマイトへブーイングが寄せられたのはまた別のお話。
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杏仁豆腐(プロフ) - まりもさん» すみません、今手直し中です！今までご指摘がなかったので「まあいいか！」で流してしまっていました……！ (1月10日 16時) (
レス) id: 83e1e19fb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 設定以外の名前変換が機能しておりませぬ… (1月10日 10時) (レス) @page1 id: 6f21c2cd01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅 | 作成日時：2023年12月19日 0時
