快晴 ページ16
雲一つない快晴。
人通りの少ない道を二列で歩く。
「あーあ、なんかお腹空いちゃったね！主さん、おにぎり食べる？」
「わ、いいの？じゃあ、ここら辺で休憩にしようか！」
堀川くんがおにぎりの入った小包を持ち上げて、にこりと笑う。
ちょうど今はお昼すぎ。
時間遡行軍とは二回ほど戦闘を行い、特に傷も負わずに順調に進んでいた。
出陣に選ばれたメンバーは、一番レベルが高く、この本丸に長くいる、山姥切国広、和泉守兼定、堀川国広、鶯丸、今剣。
自分が出陣すると志願する刀たちは多くいたのだが、出陣場所や経験の差でこうなった。
道の外れで風呂敷を広げ、各々お茶を飲んだりおにぎりを食べたり。
「今のところは順調に進んでいるな」
「そうですね！でも、ゆだんはきんもつですよ！」
「俺達は引き続き、主を守らなくてはな」
ズズ、といつもの様にお茶を啜った鶯丸に、みんなはこくりと頷く。
みんな、大変だろうな。
時間遡行軍と戦わなくちゃいけないのに、私の安全も確保しながら周りを見なくちゃいけない。
私は邪魔にならないよう、見つからないところで息を殺している。戦闘が終わると、もういいよって堀川くんたちが私のところにやってくる。
「さ、そろそろ行くか。もうすぐで歴史改変を防ぐことが出来る」
兼定がそう言うと、みんなは辺りを片付けて支度をする。
「時間遡行軍が現れる時間、もうすぐだよね。ちょっとゆっくりしすぎたかも」
「わ、本当だ。急がないと、町のたくさんの人たちが被害に遭っちゃう」
「はやくいきましょう！」
.
.
.
生暖かい風が吹き荒れ、空は曇天に変わる。
「主さんはこの蔵に隠れてて！」
「みんな、危ないと思ったらすぐ逃げて私を呼んで。これは、皆を無事に本丸に帰らせなきゃいけない主の私との約束」
「主も、俺達が来るまでここを動いては駄目だぞ」
頷いて、私を安全な蔵に置いて走り去っていく刀剣たち。
薄暗く音1つしない蔵の中で、両手を固く組んで皆の安全を願う。
吐き出した息と体は震えている。
「大丈夫…大丈夫……。あの子たちなら、きっと」
数十分経ったくらいで、辺りはこの町の人々の声がしなくなった。
避難が済んだのか、良かった。
ほっとして息を着いたその時、お母さん、と呼ぶ声が外で聞こえた。
そっと隙間から除くと、幼子が泣きながら母親を探していた。
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きちきち(プロフ) - はひふへほー☆さん» ありがとうございます…！更新めちゃくちゃ遅いですが、励みになります…！！ (2018年3月24日 19時) (
レス) id: 904a2e705a (このIDを非表示/違反報告)
はひふへほー☆ - 最高です 笑いと涙のオンパレード胸キュンも＾＾ 更新がんばれーーー (2018年3月24日 18時) (レス) id: 45d92ac679 (このIDを非表示/違反報告)
きちきち(プロフ) - ryo_25_25さん» あ、すみません！！笑 深夜に考えていたもので、見落としていました…すぐに修正致します、御指摘ありがとうございます！ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 904a2e705a (このIDを非表示/違反報告)
ryo_25_25(プロフ) - 毛利藤四郎くんだと思われるセリフが、毛利小五郎となっておりますよ(；・∀・) 作者様… (2018年2月23日 6時) (レス) id: e0d78c338b (このIDを非表示/違反報告)
きちきち(プロフ) - うたさん» 一気見…！最高…！心が震えました…ありがとうございます……！！これからもどうぞよろしくお願いします (2018年1月28日 11時) (レス) id: 904a2e705a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きちきち | 作成日時：2018年1月4日 23時
