15.才能の時間 ページ15
暗殺教室での生活にも段々と馴染めてきた。
殺せんせーの授業は前のクラスより分かりやすい。
ビッチ先生の英語も、たまにキスされそうになること以外は暗殺者ならではの経験談が聞けたりして面白い。
烏間先生の体育は一番しんどい。
元々、運動が得意ではないのに加えて
ナイフや射撃の暗殺技術は下から数えた方が早い。
編入したばかりだからと励ましてもらってはいるが
自分でも劣等生なのが分かってしんどい。
そんな体育の時間中
新しい先生だと名乗る男がやってきた。
烏間先生の同期らしい。
これから体育の授業は鷹岡先生が引き継ぐという。
原さんは近所の父ちゃんみたいと言っていたが
私は少しだけ苦手だ。
ずらーっと並べられたスイーツたちも
気前の良さそうな大笑いも気味が悪い。
ただ餌付けされているように感じてしまう。
「んー？Aさんもサボっちゃう？」
これから体育だというのに制服のまま
山を下ろうとしているカルマくんを見ていたら
そんなお誘いを受けた。
彼が授業をサボる事はたまにあるけど体育は珍しいな。
「せっかくだけど…
これ以上みんなに遅れをとる訳には行かないから」
約三ヶ月に及ぶ違いは大きいのだ。
「そっか。ざーんねん」
「私もカルマくんみたいに出来たらいいのに」
「俺みたいに？」
声に出すつもりはなくて無意識だった。
才能があるとか器用だとか
そんな言葉で片付けるのは失礼だと分かってる。
きっと、その裏には知り得ない努力があるから。
それでも思わずにはいられない。
「勉強も暗殺も何でも…スマートでカッコいい！」
素直に褒めると少し目を見開いた後
彼はそっぽを向いた。耳は赤くなっていた。
てっきり、またイジられると思ったから驚いた。
「未だに射撃音と反動でビビって
腰抜かすAさん、俺は好きだよ。」
仕返しと言わんばかりに意地悪な表情だった。
最近ではマシになってきたけどビビるのは事実。
それを何で知ってるの、というより
“好き”って言葉が頭の中でこだまして
カルマくんを意識しちゃうのが悔しい。
冗談だって、ちゃんと分かってるはずなのに。
じゃあね、とひらひら手を振って彼はいなくなった。
「Aちゃーん！授業始まっちゃうよ！」
茅野ちゃんの声でようやく
彼の後ろ姿から視線を逸らすことが出来た。
「ありがとうー。今行くね！」
16.才能の時間（暗殺の才能）→←14.球技大会の時間（結果）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彗(プロフ) - めちゃくちゃカルマくんがカルマくんしてて好きです...！！好きな子が出来たらこんな感じなんだろうなぁ...ってとっても想像できます...(；；)♡ (11月20日 2時) (
レス) @page23 id: 7b069ad265 (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - わんしゃんさん» 全員推しだからな……ん〜誰だろ…イトナとか千葉とかですかね。コメント返してくださりありがとうございます！ (11月16日 6時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
わんしゃん(プロフ) - の〜さん（旧もこ）さん» コメントありがとうございます！返信遅くなりすみません。愛され大好物なので嬉しいです！全員というのは難しいかも知れませんが頑張ります。特に誰とのストーリーが見たいとかありますか？まったり更新ですが付き合っていただけると幸いです。 (11月15日 20時) (レス) id: 7686729bb7 (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - コメント失礼します！私愛され大好物なので嬉しいです！暗殺教室のキャラ全員推しなので嬉しいです！出来たら全員に恋愛的に愛されたいです、無理ならすみません。更新頑張ってください！ (10月12日 17時) (レス) @page11 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わんしゃん | 作成日時：2023年7月11日 23時
