第六話 好きになっちゃダメですか？ ページ31
■ｼﾞｮﾝｸﾞｸside
“「23時頃になったら迎え呼ぶかも！」”
そう言って朝家を出たヌナは
当然俺が仕事から帰ってきても家にはいなくて
作り置きのカレーを用意して飲み会に行ってしまった
正直お酒が苦手なヌナだから心配になるけど
きっと大丈夫だろうと思って待っていた
でも…
『23時半…遅い』
ケータイには一向にヌナからの連絡はなく
さすがに心配になって呼ばれてないけど
家を出ようとした時だった
-ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
こんな夜遅くに来客が来るはずないのに
鳴ったインターホン
モニターを見ると暗くてよく見えないけど
男の人が立っていて、どこか見覚えのある顔のような気がして玄関のドアを開けると…
明かりの下でハッキリとした顔を見ると
ケーキ食べ放題に行った時にヌナが顔を見て
逃げた人だと思い出した
でも、そんなことよりも…
『え…Aヌナ？』
その人の背中で眠っている女性が
Aヌナだという状況についていけなかった
しかも…
「Aさんの弟さんですよね？」
『…弟？』
「はい、そうお聞きしましたが？」
『ヌナが、言ったんですか？』
目の前のテヒョンさんは俺のことを
Aヌナの弟だなんて訳の分からないことを
言い出した
若干の胸騒ぎがする
「Aさんが言ったというか…
そう言ったのは他の上司なんですけど
それを聞いていたAさんも否定しなかったので」
『はい？』
思わず苛立った声が出た
この人に対する苛立ちなのか
ヌナに対する苛立ちなのか分からない
とにかく…
『ヌナを降ろしてください。俺が抱きますんで』
その背中から一刻も早くヌナを離したい。
テヒョンさんは優しくゆっくりと
眠っているヌナを降ろし、
俺は降ろされたヌナを両腕に抱えた
「それじゃあ、俺はこの辺で」
『わざわざヌナを送って頂きありがとうございました。気をつけて…』
テヒョンさんはヌナの方を一瞬見て微笑んだ
その瞬間、キリッと胸が痛む
『あのっ…』
もう階段の方に歩き出しているテヒョンさんに
向かって声をかけた
「なんですか？」
不思議そうに振り返るテヒョンさん
でも…
『俺はこの人の弟じゃありません。
同棲中の恋人なので、誤解されないように』
俺がそう言った瞬間
表情が硬くなった
軽く会釈をして玄関のドアを閉めて
ヌナをベッドに寝かせた
彼女に聞きたいことはたくさんある
酔い潰れたことも
迎えを呼ばなかったことも
俺を弟だと言っていたことも…
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4572人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アヨン(プロフ) - あいりさん» コメントありがとうございます！完結して時間が経ってもそのような温かい言葉をいただけて大変嬉しいです！たくさんの読者様に愛された作品なだけに、私も2人のその後のお話を考えておりました。まだ先になるかもしれませんが、公開した際は、よろしくお願いします♪ (2022年4月16日 14時) (
レス) id: 0dd202bf0d (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 素敵なお話、ありがとうございます。もしお願いが叶うならパパとママになるまでとなってからの暖かい家庭を拝読したいです(o_ _)o (2022年4月16日 5時) (レス) @page50 id: 7c13d4e2d6 (このIDを非表示/違反報告)
アヨン(プロフ) - KBさん» 最後までお読み頂きありがとうございました！現在、新作の下書きを行っている途中です。全話分書き終えましたら公開する予定ですので、良ければそちらの作品も読んでいただけると光栄です！ (2021年10月4日 0時) (レス) id: 0dd202bf0d (このIDを非表示/違反報告)
KB - 素敵なお話ありがとうございます。これからの活躍期待してます！ (2021年10月3日 22時) (レス) @page50 id: 5f0961fe40 (このIDを非表示/違反報告)
アヨン(プロフ) - もちこ。さん» 「ヌナからぼた餅」とても笑いましたw wそのお話是非読みたいですwちょっとそのタイトルのお話作ってみようかななんてw嬉しいお言葉ありがとうございましす。完結して時が経っても尚、そのような声を頂きとても光栄です！これからもよろしくお願い致します。 (2021年5月5日 21時) (レス) id: 0dd202bf0d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アヨン
| 作成日時：2019年4月11日 22時
