できることなら…２【鬼滅の刃】

療やし 丁度いい ページ5

まだまだ





話し足りなさそうだったが

煉獄さんは任務が入ってしまい

すぐに発たねばならなかった





「すまない、随分と居座ってしまった」





一度伸びをして隊服を整える

柱を見送るのにだらしないのはいけない









『お気を付けて』

「うむ」





ふわりと羽織をなびかせ

瞬く間に姿を消してしまった





……特に何もなかったな

てっきり

何かしら仕掛けてくるのかと思っていたのだけれども

任務とはいえ、こうもあっさりされると









身構えていた自分が馬鹿みたいじゃないか





自分自身に若干腹が立ち

ラムネをもう一本開け一気に飲み干した

口や喉にピリピリと刺激が走り

生理的な涙を浮かべる









《南南西、南南西》





あぁ、丁度いい





３本の瓶を抱えて日向へと歩き出した

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





いつもの様に他愛もなく任務を終えて

時間も時間だったので

藤の家にお邪魔させていただいている





その家は浴衣や着物といったお店だったらしく

可憐なものから美しいものまで

女性なら心躍らせるに違いないだろう

そう思う程に綺麗だったのだ





ここの人に案内してもらいながら

目だけをあちらこちらへと動かす









「『 あ 」』





そこで一人の人と目が合った





「御知り合いでしたかな？」





知り合いも何も昨日会ったばかりだ

こちらが口を開く前に



















「“まだ”友人だ」









まさかの先手を打たれてしまう

全然あっさりも何もしていなかったし









「まぁまぁ…御ひとつご提案があるのですが」









絶対に勘違いされた

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