できることなら…２【鬼滅の刃】

療やし 派手な ページ35

あの後





断ったのだけれど

杏寿郎さんに蝶屋敷まで送ってもらった





「そういやあの件の話だが…」





てっきりもう終わったことかと思っていたのに

ほじくり返してくるとは

…まさか今からしのぶさんに伝えるとかないよね









「まだ保留なので覚えておくように」





嘘でしょ

散々接吻しといて保留とか





『等価交換です』

「食いかけだったので無効だ」





食いかけって…

その表し方どうかと思います





『いい加減にしないと嫌いになりますよ』





ため息をつくように言えば

なんとも驚いた顔をされた



















「俺のこと……嫌いではなかったのか」









これは





「うむ…そうか」









言葉を間違えたかもしれない





『宇髄さんのお屋敷はご存知ですか？』





取り敢えず話を逸らさなければ

また何かされては面倒だ





「あぁ、良ければ案内しよう」









丁重にお断り申し上げた

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





翌日





昼下がりにお屋敷に訪れると





「あ、昨日の…」





お嫁さんの１人である

大量の苦無を放った人が出迎えてくれた





『連絡もせずに申し訳ございません

宇髄さんに御用があって参りました

…お時間大丈夫でしょうか』





快く通してくれ

軽く自己紹介をしてくれる

この方は雛鶴さんで

後の２人は須磨さんとまきをさんと言うらしい









案内された部屋には皆さんお揃いで

宇髄さんは来るとわかっていたのか

大して驚いた様子はない





そしてやはり片腕はなく

左目も派手な眼帯を付けていた





『出会い頭に失礼します』





懐からつい先日届いた扇子を取り出す





『療(りょう)の呼吸 壱の型 治療(ちりょう)』









この扇子は最終選別の際に

無理を言って作ってもらったものだ

療(りょう)の呼吸を使う時に

身体への負荷を減らす為の何かを作ってくれと

ダメもとで頼んだのだが

こうして作っていただいた

感謝してもしきれない





ふわりと扇子をを仰げば

キラリと輝く光と共に傷を癒し

何事も無かったかのように綺麗な肌へと変わる





「傷が治った…」

「…嘘みたい」

「話には聞いていましたが…これ程とは」





綺麗な顔にあった傷跡も無くなり

一先ずは安心する

続けて宇髄さんの腕を再成しようとするが









「待ってくれ」









止められてしまった

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