できることなら…２【鬼滅の刃】

療やし あやす ページ33

落ち着け





己のすることをちゃんと見極めろ





宇髄さんはお嫁さんが手助けをしているから

先に炭治郎達を治療しなければ





炭治郎達を見つけるも

禰豆子を朝日から守るようにかたまりあい

気絶していた





皆…こんなに怪我をしているのに

私は傷一つない

本当、なんの為に来たのだろう





『ごめんね…禰豆子

お兄ちゃんこんなに傷だらけになって

……何もしてあげられなかった』





鱗滝さんの頼み、何も出来てない









｢んー、むー！｣





それは違うとでも言うように

私の袖を引きながら

怒るように見つめてきた





早く禰豆子を箱に入れなければならないと思い

入るように施すが

入る気配は全くない





『禰豆子？…早くしないと朝日がもうすぐ来る』





こちらに手を伸ばして来たかと思えば









優しく抱きとめられた

…これじゃまるで





『もしかして…慰めてる？』





小さい子をあやす様に

背中を一定の間でぽんと叩く

禰豆子も戦ったのだから

回復するために寝なくてはならないのに





全く、この兄妹ときたら

人の事ばかり気にする





『療(りょう)の呼吸 伍の型 強制睡眠(きょうせいすいみん)』





眠った禰豆子を箱に入れ

炭治郎達に治療を施したが

暫くは起きないかもしれない

全知全能は補助こそ最強なのだが

その分、物凄い疲労感が押し寄せるのだ

なのでここぞと言う時にしか使えない









｢あの、大丈夫っすか｣





隠の人だろう

ちょうど良いと思い炭治郎達のことを任せよう

流石に４人も運べる気がしない





宇髄さんの元へ行こうとしたのだが

その姿はどこにも見えなかった

…立ち去るのが早すぎる





しのぶさんに宇髄さんのお屋敷聞いておこう

あまり確認はできなかったが

片腕が無くなっていた

それこそ私の出番だろう





隠の仕事はとても早く

何事もなかったかのように人は居なくなり

ただ目の前には破損した家があるだけだった





怪我人こそは居たものの死人はいない

これはとても良い事だ





あぁ、でも









こんなにも気持ちが晴れないのは何故なのか

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