できることなら…２【鬼滅の刃】

療やし 私が ページ29

考えを巡らせていると





炭治郎が目から血を流すほど怒り

別人のような顔付きになった

目にも留まらぬ速さで鬼の足を掴み

言葉を発する





炭治郎じゃないみたいだ





身体は帯に切られ動く度に激痛が走るはずなのに

何の無駄もなく刀を振るう

怒りという感情はこれ程強いというのか





ここで私が変に手を出せば

炭治郎に負荷が掛かってしまうだろう









遂に炭治郎は蹲ってしまった

体力の限界が来たのだろう

すぐ様刀に手を添え走り出すが





バキリと嫌な音を立て

今度は怒りに満ちた禰豆子が現れた

すぐ様吹っ飛ばされ

屋根には気絶した炭治郎だけが残る

少し迷ったが禰豆子を追うことにした









そして驚いた





いつもの口枷は外れ

身体は成長し

身体には葉の模様が流れ

額からは角が生えていたのだ





それは正に鬼





上弦の鬼を笑いながら何度も何度も踏み付け

民家に蹴飛ばす

こんなの他の鬼となんら変わりないではないか





『禰豆子、禰豆子』





声を掛けても唸るだけ

血を見た途端、食らいつこうと暴れ出す

これはまずい…非常にまずい





禰豆子を斬る覚悟で刀を握るが

それを遮る者が現れた









「禰豆子！！」





刀を咥えさせ

必死に誰も傷付けないように抑える炭治郎は

あぁ、長男なんだと思った





ここは家族である人に任せた方が良いので

自分は住民の避難を施そう

禰豆子が人を傷付けない為に





「なかなか治らないじゃない」





美しい顔が炎に焼かれ

なんとも痛々しい

確かに治る速度は遅いように感じる

これも禰豆子の力なのだろうか





だが禰豆子は今…とても危険な状態だ

それに炭治郎も動けない





私がやるしかない









私が守るのだ

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