できることなら…２【鬼滅の刃】

療やし 人影 ページ25

そんな事もあったが





ある程度の情報を集めたので

そろそろここを出ようと思った日

最後に一言くらい別れを告げようと

通いつめた所へと行けば









「よ、一週間前は世話になったな」





あの男が酒を飲まずに座っていた

不思議に思い首を傾げると

手招きをされる





「おめぇさんを待ってたんだよ」





酒を渡され杯を鳴らす

最後なのだから、少しくらいゆっくりしても良いか

この酒が空になったら別れを告げよう









他愛もない話をし

あと一杯で終わりだという時









「失礼するぞ」





目の前に人が座る

その人は……いや





「おぉ、派手な髪してんなぁ」



















杏寿郎さんは私を見ていた





いつもの様な隊服ではないので

私と同じで潜入調査だろう

これはまずい、本当にまずい









結局、その酒を飲み終わっても

別れを告げることは出来なかった

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜









「さて」





店を出た途端





「これはどういう事だ」





腕を引かれ人影に連れて行かれる

言い訳を沢山考えたけれども

どれも嘘に過ぎないので





『潜入調査の延長みたいなものです』









正直に答える





「君はまだ成人していないはずだが」

『お酒は１０歳の時から飲んでいます』





説明するのは面倒なので省かせてもらう

確かにいけない事だが

私は別にそこまで悪い事だとは思わない

身体を壊しても自業自得な訳だし









「これは…胡蝶に報告が増えたな」




いつもは太陽のような笑顔をするのに

今は見たことも無いニヤリとした笑を浮かべている

こんな顔も出来たんだ





『それは勘弁して欲しいです』

「うむ、だろうな」





この事がバレたら暫くは酒が飲めなくなってしまう

それはなんとも阻止したい





ここは遊楽の街なんだし

それらしく従ってみようか









首に腕を回して背伸びをすると

視界いっぱいに杏寿郎さんの驚いた顔が映り

少し笑って



















その頬に唇を落とした

療やし 侵食→←療やし 酒代

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