できることなら…２【鬼滅の刃】

療やし 勝手な人 ページ15

本当に





勝手な人だ









唇だけでなく頬も攫っていくというのか

奪われてばかりだなぁ





だらしなくその場に寝そべり

目を閉じる

抱きしめられた時の暖かさがまだ消えない

暑いというのに…やめていただきたいものだ









再び目を開けると

何やら心配そうに私を見る炭治郎達がいた

皆、髪が濡れているから水浴びの後だろう





『どうしたの』





何か言いたいことはあるみたいだが

何を思ってかそれを躊躇している





『煉獄さんの事？』

「いや！断じて違う！」





炭治郎の顔がヤバい

嘘をつくのが下手所の話じゃない

顔がヤバい、本当に





「炭治郎…それはどうかと思うぞ」

「威嚇しているのかと思ったぜ」





２人もこう言っているし









「その…煉獄さんは……良い人だ！」





…まぁ、炭治郎にしては頑張った方だろう

善逸は頭を抱えているが





『その事に関してはもう知っているから大丈夫』









一時的なものなしか過ぎないけれど





「何でそんなに冷静なの？…Aちゃん

相手はあの柱だよ？」





煉獄さんも少しくらい隠せば良いのに

この２人に通じるかどうかは知らないけどさ





『一時的なものにしか過ぎないから』





この話は終わりだと言うように

私は立ち上がった



















「それは違う」





それは





「煉獄さんは本気で」





嘘偽りのない



















「Aを愛している」









力強い声色だった

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