できることなら…２【鬼滅の刃】

療やし 櫛 ページ2

あの後





しのぶさんと甘露寺さんが私の所に訪れて

甘味屋に行こうと誘ってくれた

２人の気遣いはもちろん無駄に出来ないので

快く引き受けた





甘味屋は殆ど来た事がなかったし

人と来たのは初めてだった

話は主に甘露寺さんからだったけど

楽しい時間を過ごさせてもらいました





蜜璃さんと呼んでくれとも言われたっけ

あと食べる量が異常だった

どうやら桜餅が好きらしい









そんな非日常があり

またいつもの日常が戻ってきた





任務へ行って帰ってきたら鍛錬をする

炭治郎達と鍛錬をすることもあった









十二鬼月





上弦との戦闘は柱でさえ命を落とす

私は他の鬼殺隊と違って特殊

真っ先に狙われる存在だ





皆と同じでは駄目

皆より努力し、強くならなければならない

私がいれば…私さえ生きていれば

失った命を蘇らせる事が出来る









皆の光となる為に強くなろう





いつもの様な鍛錬では駄目だと思い

少し蝶屋敷から離れて鍛錬すると決め

アオイに鍛錬に行ってくると告げ



















そのままひと月が経ってしまった









本当は一週間くらいで帰る予定だったのだが

長期任務が重なってしまい

気が付けば一ヶ月も経っていた





鴉に連絡を頼んだので

私は無事というのは知らせているけれど

…帰るのが少々怖い









ひと月ぶりの蝶屋敷に足を踏み入れると

最初に会ったのは炭治郎達だった





「あれぇ？Aちゃん！」





鍛錬中のようで

善逸の顔には泥がついていた





「ぉお！久し振りなあ……ん？」





一度耳飾りを揺らすと

今度は鼻を動かす









「A…強くなってないか？」

「何だと！俺と勝負しろ！」





匂いだけで強さまで分かるのか

炭治郎に隠し事は難しそうだ





『鍛錬してたからね…疲れたから勝負はまた今度

あとこれお土産、３人で食べて

それと……あ、あった、これは禰豆子に』





カステラの入った風呂敷を善逸に渡し

炭治郎には小さめの包みを渡した





中を開くと櫛が入っていた









上質な木で出来た櫛は持ち手に蝶の柄が彫られ

そこには

禰豆子の着物と同じ色の瑠璃石が埋まっている

何とも綺麗な櫛だった





『使える日が来たら渡してあげて』





人間に戻った時にでも









素敵な笑顔で受け取ってくれた

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