この世界を壊しても (ページ42)

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ｺﾝｺﾝ
「俺やけど」

そう言って中に入る

『ああ、村上くん。会いたか………っ、は？』

ヨコを見て固まるそいつ
けどその顔は一瞬で、すぐに笑みを浮かべた

『村上くん、これは…どういうことですか？何故彼が居るんです？まさか"あの"約束、忘れましたか？』

『そうですか、メンバーはどうでもいい、と。そういうことですね。自分が助かるためには、メンバーは捨てるんですね』

『いいですね、そんな所も可愛いです。大好物だ』

そう早口で捲し立てられた

"あの"約束を忘れるなんて、そんなことできるはずないのに

目の前のそいつは、笑顔で『大好物だ』と言う

やっぱり、ヨコを巻き込んじゃダメやったんか

俺が、俺がどうにかせなあかんかったんかな

「ヨコごめん、やっぱり俺がなんとかす……っん」

見せびらかすように優しく重ねられた唇

「 …っは、こんな震えて何言うてるん」

「もう大丈夫て、俺言うたやん」

「横山の言うことは絶対、なんやろ？」

その優しい笑顔にまた涙が溢れた