恋慕 9 ページ10
憧れだった団長会議は終わり、皆、フゥーっと肩の力を抜いている。
ヤミ「嬢ちゃんが魔導書貰ったら、黒の暴牛にスカウトするからな」
ジャック「何言ってんだヤミ、コイツはウチの団員になんだよ」
ヤミとジャックは、まだ、小競り合いする体力があるのかギャーギャーと叫んでいる。
シャーロット「全く…馬鹿な連中だな…A、行くぞ」
シャーロットは、Aを連れて部屋から出ていった。他の団長達もゾロゾロと部屋を後にしている。
貴「…姉様、少し待っていてくれませんか」
シャーロット「?どうした、何か忘れたのか…」
しばらく廊下を歩き、ピタッと立ち止まった。シャーロットは振り返りAの顔を見ている。
貴「すぐに戻ります!」
Aは、後ろをクルッと振り返り、団長会議を行った部屋に向かった。
貴「ジャック様!」
ジャック「!…」
何とかジャックが帰る前に出会うことが出来た。Aは、ハァハァと肩で息をしている。
貴「あの、次にいつ会えるか分からないので…その…ぶ、文通したいのですが…」
ジャック「……あ？」
Aは、恥ずかしいのかほんのりと顔を赤く染めている。自分から、殿方にこんなことを行ったことがないからだ。
貴「と、突然変なことを言ってしまいごめんなさい!!!」ﾊｯ
ハッと我に返ったAは顔を手で多いながら謝っている。
ジャック「文通か…したことねぇな」
貴「い、今のは聞かなかったことに!!」
Aはアタフタと慌てながらジャックの周りをオドオドとしている。
ジャック「面白そうじゃねぇか、文通」
貴「!いいのですか!?」
ジャックは、"かっかっ"と笑いながらAの頭をポンポンっと撫でている。
ジャック「かっかっ、お前、ちっこくて可愛いな」
笑いながらそのままAの頭を撫で続けているジャック。Aは、顔を真っ赤に染めながら下を向いてしまっている。
貴「え、あ…そ、その…」
シャーロット「遅いと思って来てみれば…ジャック、貴様…」
後ろから茨魔法が突然ジャックに攻撃をしにやってきた。後ろを見るとシャーロットが剣を抜き、攻撃態勢に入っている。
貴「姉様!違います!私が、引き止めてしまったのです!」
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作者名：唐墨 | 作成日時：2022年2月27日 1時
